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安田倉庫(株)【9324】の掲示板 2015/04/29〜2020/02/26

不動産 過熱の代償(1) サラリーマン大家に試練
(ルポ迫真)
住建・不動産
2019/7/23 2:00
1687文字
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実績のある依田氏にも新規融資が付かない
「申し訳ございませんが、これ以上はお貸しできません」。メインバンクの一つだった地方銀行の支店長に頭を下げられ、依田泰典(42)は途方に暮れてしまった。「信頼してもらっていると思っていたんですが……」
依田は不動産会社に勤める傍ら、東京23区を中心にマンション住戸を賃貸する「サラリーマン大家」だ。銀行融資を元手に約10年かけて23戸まで買い増してきた。自ら賃貸経営の勉強会を主宰し、この世界では名の売れた存在だが、それでも新規融資が付かない。
「不動産はしばらくお預けです」。資産規模が10億円を超える「メガ大家」の一人、玉川陽介(40)も依田と同じ憂き目にあい、2018年春から新規投資は控えている。物件価格が高くなった一方で、金利や頭金など融資条件が厳しくなり、「投資妙味が薄れている」という。
アベノミクスの未曽有の金融緩和の下で、個人の不動産投資ブームはかつてないほど過熱した。日銀の統計によると、国内銀行の「個人による貸家業」への融資はピークの16年7~9月に1兆1045億円と、第2次安倍政権が発足したころの約2倍にふくらんだ。
超低金利は、賃貸経営の経験も十分な頭金もない給与所得者が、いきなり1億円規模の投資不動産のオーナーになる道を開いた。だが、こうしたサラリーマン大家の「バブル」は足元で崩壊しつつあり、その風圧は依田や玉川ら実績のある投資家も押しのける。
「俺たちの人生、どうしてくれるんだ」。6月26日、静岡県沼津市で開かれたスルガ銀行の定時株主総会で怒りの声を上げたのは、同行が融資を通じて深く関与したずさんな投資用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナーらだ。大手メーカー勤務の中野利夫(仮名、49)の姿もあった。