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安田倉庫(株)【9324】の掲示板 2015/04/29〜2020/02/26


観光に使う貸し切りバスは2000年、政府の規制緩和で免許制から事業許可制に移行。新規参入しやすくなった結果、事業者数は97年度の1905社から17年度は約2.3倍の4324社に増えた。供給増を支えるのがインバウンド需要だ。19年の訪日客数(推計値)は前年比2.2%増の3188万人と8年連続で前年を上回り、過去最高を更新した。成田空港周辺には100近くのバス会社の営業所がある。
訪日客全体の約3割を占める中国人客向けを専門にするバス事業者も少なくない。ただ、新型肺炎の拡大の影響で、日本旅行業協会(JATA)の調査では、中国人団体旅行客のキャンセルは3月までに40万人超にのぼるとみられ、小規模事業者には打撃だ。
日本への渡航を自粛したり、注意喚起したりする動きは広がっている。台湾や東南アジアからの訪日客向けを中心に営業する成田市の貸し切りバス運行会社では、連日、ツアー取りやめの連絡がくる。損失額は2月中旬時点で数千万円。バスのローン返済があり運転資金はすぐに底をつく状態という。あるバス会社の男性社長(54)は「成田周辺だけで既に2社が観光バス事業をやめた」と話す。
広島県に本社を置くバス会社の幹部は「今後は限られた仕事を奪い合うために激しい値下げ競争が始まる」とみる。約20年前から国内で貸し切りバス事業を手がけてきたが、日本人客の団体旅行減少を受けてここ数年は「年間を通じて安定して稼げる」(幹部)中国客向けに仕事の比重を移してきた。毎月4800万円を売り上げてきたが、2月は国内分だけの数百万円にとどまる見通し。今後は顧客層を広げるため自社で欧州客向けのツアーを企画する予定だ。
「中国頼みのもろさを痛感した」(幹部)。生き残る道の模索が続く。(宮嶋梓帆 吉田啓悟)