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日本アジア投資(株)【8518】の掲示板 2017/12/14〜2018/08/24

<日経>◇「シリコンバレーは日本に注目」 VCのドレイパー
 日米を拠点に活動するベンチャーキャピタル(VC)のドレイパーネクサスベンチャーズは22日、東京都内で事業戦略説明会を開いた。同社は2011年、日本の事業会社のシリコンバレーでの活動をサポートする目的で設立され、現在約240億円を運用中だ。マネージング・ダイレクター(MD)のキュー・モティワラ氏は「日本のIT(情報技術)サービス投資は米国に次いで世界2位。シリコンバレーのスタートアップは日本に注目している」と述べ、ドローン(小型無人機)や宇宙関連など先端技術の橋渡し役となることに意欲を見せた。
 ドレイパーネクサスは、投資家のティム・ドレイパー氏が率いる世界各地のVCの集まり「ドレイパー・ベンチャー・ネットワーク」の一員。ドレイパーネクサスは総額2億2500万ドル(約240億円)を運用し、このうち第2号ファンド(1億7500万ドル)の9割は日本の事業会社からの出資だ。コマツや東京海上ホールディングス(HD)、みずほフィナンシャルグループ、富士フイルムなどが出資者に名を連ねている。
 ドレイパーネクサスの投資対象は日米のB2B(企業間取引)のスタートアップ。サイバーセキュリティーや人工知能(AI)、フィンテックなどの企業に出資してきた。
 昨年には、保険と最新のIT(情報技術)が融合をテーマに自動運転スタートアップなどを集めたイベント「インシュアランスX」をシリコンバレーで開催。ファンド出資者である東京海上HDの現地での活動を支援するなど、活動の幅を広げている。東京海上HDの住隆幸デジタル戦略室長は「保険業を進化させてくれる技術、ソリューションを提供してくれる」現地企業との提携を模索しているという。
 ドレイパーネクサスはこのほかにもAIを使った自動運転スタートアップなどの連携を実現した。北村充崇MDは「大企業とスタートアップの提携は60件以上にのぼる」と述べた。ドローン、宇宙などを担当するモティワラ氏は「製造業が強い日本と、データを集めるのが得意な米国の企業が連携できる余地は大きい」とみる。
 同社は日本アジア投資の出身者らが中心に設立した。同社OBの中垣徹二郎MDは「私がVCの世界に入った1996年に日米のVC投資額は2~3倍の差だったのが、今は20倍以上に差が広がったと」と指摘。日本企業がシリコンバレーに拠点を構える事例が増えているが、「大企業がスタートアップに選ばれなければ、お金があっても仕事ができない」と述べた。欧州、中国企業も現地の活動を活発にしているなか、「大企業は自らが提供できる価値を見極めることが重要」と、日本企業の意識の変化も必要と強調した。
 一方、仮想通貨交換会社コインチェック(東京・渋谷)の仮想通貨流出問題に関連し、同社の記者会見でスタートアップの経営判断にVCが大きな影響を与えていることが一般にも知られた。中垣氏はコインチェックの件の具体的な事情を把握していないとしたうえで、一般論として「VCはスタートアップを新規株式公開(IPO)や大企業による買収で“公器”にする、事業の進捗と両軸の役割がある。そのアドバイスも必要だ」とし、ガバナンス面の指導も一段と重要になるとの考えを示した。
 また北村氏は「米国ではウーバーテクノロジーズを巡り、主要株主のVCベンチマーク・キャピタルがトラビス・カラニック前最高経営責任者(CEO)の辞任を要求し、訴訟合戦にまでなった。(カラニック氏がとどまり)問題が大きくなる前に(VCが)やりきったという点で、VCの役割は米国の方が進んでいる」と述べた。