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SBIホールディングス(株)【8473】の掲示板 〜2015/04/28

SBI筆頭株主「叩き売り」の裏
益出しの道具の韓国貯蓄銀行に厳罰。増資を迫られ“トラの子”取り崩しに走る?

右舷は火ダルマ、左舷も浸水で沈没寸前――必死に舵を取るSBIホールディングス(以下SBI)の“艦長”北尾吉孝に、また被弾の悲報が届いた。
炎上しているのは、SBIが子会社SBIコリアホールディングスを通じ20.9%を出資している韓国の現代スイス貯蓄銀行(以下、現代スイス)で、決算期末ごとに益出しや損失隠しをしてきた有力な道具立ての一つである。SBIが出資しているのは現代スイスの1号と2号で、本誌が12年10月号(「SBI韓国投資先が騙る『孫の褌』」)で取り上げた金融機関なのだ。
この記事では、営業停止処分スレスレの現代スイスを使い、SBIが11年3月期、12年3月期でそれぞれ14億円、73億円もの利益を計上させたカラクリを明らかにするとともに、SBIが韓国では絶大な信用を誇る在日のヒーロー、孫正義の関連会社と今もって勘違いされている実態を詳報した。
会長解任と課徴金の厳罰
その87億円もの利益を生み出していた“益出し装置”が、年末の12月24日に韓国の金融監督院に断罪されたのだ。
現代スイスに下った異例の処分は、2号の会長に対する前代未聞の解任勧告で、会長は引きずり下ろされ、前職、現職含め役員数十人(現代スイス3号も含め)が職務停止、27億5千万ウォン(約2億2700万円)の課徴金支払いを命じられた。
「現代スイス」という名称は一見、現代自動車などを擁する現代財閥系のグローバル金融機関を思わせるが、実態は財閥系でも普通銀行でもない。有り体にいえば、信用組合と消費者金融との中間のような存在だ。銀行とは名ばかりのこの貯蓄銀行のウリは、なんと言っても金利の高さ。その高金利を餌に、中間層以下の庶民からカネを掻き集めたのが貯蓄銀行なのだ。
韓国でも貧富の格差が社会問題化し、政府も神経を尖らせている。11〜12年5月にはソロモン、第一、釜山など20行もの貯蓄銀行が営業停止となった。
「貯蓄銀行の経営はどこも杜撰(ずさん)そのもの。経営者の親族企業への情実融資などは当たり前。経営という名に値するところは一つもなかった」と韓国メディアの記者は断言する。
監督院の検査で現代スイスは「ソフトバンクの系列会社」と見られ、いったんは“お目こぼし”にあずかったが、今回はそうはいかなかった。583億ウォン(約48億円)の情実融資や迂回融資が発覚し、慌てたSBIは監督院の処分が発表される直前の12月21日、監督院に「投資確認書」を提出。つまり、SBIが現代スイスの増資を引き受けるという“一筆”を差し出したのだ。SBIのリリースはこう記述している。
「現代スイス貯蓄銀行は傘下銀行を含め5.5兆ウォン(約4310億円)の総資産を持つ韓国最大の貯蓄銀行で、釜山、慶尚道を除く韓国全土に営業網を保有し、総受与信額残高で貯蓄銀行全体の11%を超えるシェアを有しています。昨今の政府主導の貯蓄銀行業界の再編等により、同行を除く大手貯蓄銀行が全て市場から撤退しており、同行の競争力は非常に強固なものになっております」
会長解任の背景や銀行内部での不正など株主が知らねばならない情報は一行も記されていない。しかも、現代スイスの新株、劣後債の引き受けについては13年6月期中間決算が確定した時点で決定するとしている。
が、韓国の聯合ニュースによれば、現代スイスが国際決済銀行(BIS)基準の自己資本比率7%をクリアするためには約2千億ウォンの増資、つまりSBIから165億円余りの支援が必要になるとされている。
しかも、監督院に近い関係者によれば、韓国金融当局の直近最大のミッションは、貯蓄銀行預金者をどう他の普通銀行に移すかだという。貯蓄銀行は早晩、韓国金融界から姿を消す運命とされているのだ。
100億円を現金化
もちろん、そうなればSBIは増資引き受けを拒否すればいいのだが、それだと出資金が消えるとともに、過去2年間、87億円もの益出しをしてきた道具を失うことになる。前門の虎、後門の狼――それがSBIが置かれている状況だ。株主はまたも泣き寝入りだ。
これと連動するように、SBIの筆頭株主である謎のファンドが慌ただしく動き始めた。