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レーザーテック(株)【6920】の掲示板 2019/12/23〜2019/12/29

2019/12/26 11:18

〔展望2020〕半導体は回復鮮明に、5G・データセンターがけん引

[東京 26日 ロイター] - 半導体分野は回復基調が鮮明になりそうだ。在庫調整の進展に加え、5G(第5世代通信網)やデータセンター関連の需要がけん引するとみられる。米中摩擦などのリスク要因はくすぶるものの、ひとまず過剰供給への懸念は23年ごろに後ずれするとの見方も出ている。

世界半導体市場統計(WSTS)の世界半導体市場予想によると、2019年の前年比12.8%減、20年は同5.9%増。世界経済の先行き不透明感から市場が急激に悪化した18年の流れを引き継ぎ、在庫の積み上がりで低迷が続いていたが、それが反転した可能性がある。
IHSマークイットの調査では、NANDメモリのギガビット価格は8月の0.126ドルから直近は0.132ドルまで上昇。在庫は3月の98日から76日へと減り、半導体工場の稼働率も3月の81%から85%へと上昇し始めた。

IHSマークイットの南川明主席アナリストは「メモリは中国勢の立ち上げが予想より遅れており、需給面でプラスだ。20年にはかなり過剰供給になると見込んでいたが、23年ごろに後ずれした」とみている。

<立ち上がり始めた需要>

回復の主なけん引役は5Gとデータセンターだ。国内の5G商用化は来春以降だが、世界規模での需要は動き始めている。

商用化で先行した韓国のデータトラフィックは、5Gでは4Gの3倍程度あるとみられ「メモリを相当使う必要があり、想定されたより半導体の需要は大きくなりそうだ」(南川氏)という。
SBI証券の和泉美治シニアアナリストは「半導体の中身が高度化することで、台数は伸びなくても金額が伸びることが期待できそう」とみる。世界のスマホ出荷台数は1年あたり約14億台で、台数自体の大きな伸びは見込みにくい。ただ、5Gで通信速度が上がりデータ量が増大することでより高速なプロセッサが必要になり、DRAMやNANDの使用量も増える方向だ。

これから設置が進む5G向け基地局での半導体需要も見込まれる。遠隔操作などにおけるデータ処理の遅延を減らす狙いから「通信会社が基地局に小さなサーバーを設置するデータセンターのエッジ化の動きが世界中で出ている」と、IHSマークイットの南川氏は指摘する。
大型データセンター投資も、GAFAが今後のデータ量の増加を見据え、インテル<INTC.O>の次世代CPU(中央演算処理装置)を搭載した製品を主体に増える見込みという。

5Gやデータセンターだけではない。自動車の電動化も追い風だ。モーターやバッテリーを制御するためのパワー半導体などの需要が動いており、富士電機<6504.T>や三菱電機<6503.T>、ローム<6963.T>、東芝<6502.T>などが手掛ける。

こうした需要を見込んで、韓国のサムスン電子<005930.KS>や台湾のTSMC<2330.TW><TSM.N>が大型投資を決めた。
日系企業ではメモリー大手のキオクシア(旧東芝メモリ)などへの業績貢献が見込まれるほか、スマホは搭載カメラ数が増加する「多眼化」の傾向が続くとみられ、ソニー<6758.T>のCMOSセンサーも好調を維持しそうだ。
SUMCO<3436.T>や信越化学工業<4063.T>といった素材メーカーにも追い風となる。メーカーによっては5G端末では4Gに比べ半導体が2─3割増えるとの予想もあり「とりわけTSMCの大型投資で先行き、出荷数量の増加が見込める」と野村証券の岡崎茂樹アナリストは話す。