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santec Holdings(株)【6777】の掲示板 2019/02/02〜2019/02/27


5Gで生き残り スプリントの買収を焦るTモバイル
IT Globe 小池良次(ITジャーナリスト)
ネット・IT 北米 コラム(テクノロジー) モバイル・5G
2019/2/27 6:30
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米TモバイルUSと米スプリントの経営統合(総額265億ドル)が膠着している。発表から約10カ月たった2月中旬、米連邦議会はようやく公聴会を開催し、その是非を議論した。様々な意見はあるものの、争点は「5Gの早期整備」と「寡占に伴う消費者デメリット」のバランスとなっている。いつどのような形で経営統合は実現するのか。最近の状況をアップデートしてみたい。

■遅々として進まないFCCの統合審査
2月上旬、TモバイルUSのジョン・レジャー最高経営責任者(CEO)は米連邦通信委員会(FCC)の委員長に面談を求める手紙を送った。その書面には、審査の促進を求める理由が綿々とつづられている。


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米携帯3位のTモバイルUSのジョン・レジャーCEO。派手なピンクのTシャツ姿が定番だ

FCC審査には「180日ルール」があり、基本的に半年以内に結論を出さなければならない。TモバイルUSとスプリントがFCCに申請書を提出したのは18年6月18日。ルール通りであれば、12月末には結論が出ていなければならなかった。

しかしTモバイルUSが18年夏に合併後の5Gネットワーク設計を変更。さらにメキシコとの国境の壁を巡って米政府機関が閉鎖してしまい、いまだに結論には至っていない。書面では、面談で事態の打開を狙うTモバイルUS陣営の意図が強く感じられる。

大手CATV事業者や通信事業者は、寡占による料金上昇など消費者デメリットを理由に統合に反対の姿勢を示している。しかしスプリントの業績は振るわず、このまま大型投資が必要な5G時代に突入すれば、同社は大量の無線免許を持ったまま身動きが取れなくなってしまう。

業界ではFCCや司法省独占局がスプリント救済に動くとの見方が優勢だ。5Gの早期普及と競争環境の維持の観点からすると、スプリント単独では負の遺産が多すぎる。経営統合はすでに株主にも認められ、18年11月に対米外国投資委員会(CFIUS)も承認した。FCCが「いつ、どのような条件で統合を認めるか」が注目されている