ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)大紀アルミニウム工業所【5702】の掲示板 2021/09/13〜2021/10/16

中国、電力不足解消へ石炭増産 豪産輸入再開の動きも
2021年10月8日 17:06 [有料会員限定]
政府の指導を受けて増産する内モンゴル自治区の炭鉱会社(同社のSNSより)
【北京=多部田俊輔】中国政府が電力不足の緩和に向けて石炭増産に乗り出した。主産地の内モンゴル自治区政府は炭鉱会社に1億トン近くの増産を指示した。中国は温暖化対策として石炭生産を制限してきたが、電力不足の解消を優先する。石炭の輸入先の多様化に加え、電力の輸入も拡大する。
内モンゴル自治区政府は7日付で、10月末までに72カ所の炭鉱の生産制限を解いて能力を十分に発揮するよう指示を出した。温暖化ガス削減目標の達成に向けて生産能力を約半分に規制してきたが、緊急事態を迎えて生産能力の発揮を認める。
2020年の中国の石炭消費量は約40億トンで、大半が中国国内で生産される。中国では発電量に占める火力発電の比率は7割で、冬季は毎月2億トン程度の石炭が必要とされる。
中国政府の指導を受け、石炭の主産地である内モンゴル自治区、山西省、陝西省の3地域は江蘇省や浙江省、広東省など工場が集積して電力不足が深刻な沿海部に安定供給する契約を結んだ。
調達先の多様化も図る。1~8月の輸入量の国別統計で、前年同期実績がなかった南アフリカからも輸入し、米国からは前年同期の約8倍、コロンビアからは3倍近く輸入した。
一部メディアによると、政治的な対立から輸入を止めていたオーストラリア産についても、港に足止めされていた一部が中国市場に放出される動きがある。海上待機中の貨物船に石炭を積み下ろし許可が出たとの情報が出ている。
電力についても、中国国有送電大手の国家電網は10月からロシアから黒竜江省への送電時間を従来の5時間から16時間に拡大した。東北部では工場だけでなく、住民の生活に影響が出ていたため、ロシアからの調達拡大に踏み切った。
李克強(リー・クォーチャン)首相は9月末、「産業のサプライチェーン(供給網)の安定を維持し、エネルギーと電力の供給を保証する」と発言し、石炭増産の方針を示した。中国メディアによると、1~6日に国家電網が発電会社から調達した電力量は前年同期比で16%増えた。電子部品などを手掛けるメーカーの一部は10月から稼働を再開したと発表しているが、電力制限が続く地域も多いとみられる。