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(株)寺岡製作所【4987】の掲示板 2019/02/01〜2023/11/15

米原油の凋落 製品需要の変化も影響
環境エネ・素材
2019/3/11 6:30
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原油の国際市場で代表的な油種の価格を見ると、もっとも安いはずの中東産ドバイ原油が一時、欧州のブレント原油も上回った。一方、本来は最上位にある米先物市場の標準油種、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油はドバイより10ドル前後も安い水準に沈んだままだ。
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中東産原油の価格は一時、欧州のブレンド原油を上回った(サウジアラビアの油田)=ロイター
原油は油種によって品質が異なる。市場価格は本来、ガソリンなど付加価値の高い製品が多く精製できる軽質なものほど上位になる。もうひとつのモノサシは硫黄の含有量で、多いほど脱硫処理にコストがかかるため市場価値は低くなる。
米国産のWTIはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループの先物商品名が「ライト・スイート原油」とあるように、超軽質で硫黄分も少ない理想的な油種だ。北海で産出されるブレントもWTIほどではないが、軽質で低硫黄。中東産のドバイは中質油種であり、硫黄分もブレントやWTIに比べて多い。
原油相場が長期の上昇過程にあった2005年末の価格を見ると、米原油先物の期近が61ドル台、欧州市場のブレント先物が58ドル台、アジア地域のスポット市場でドバイ原油が51ドル台だ。これが原油市場での常識的な位置付けだった。
異変の理由はいくつかある。WTIの地位低下には米国でシェールオイルの生産が急増し、米国内の在庫が積み上がったことがある。一方、ドバイの地位向上は対イラン制裁が原因だ。同じ中東産というだけでなく、イラン産原油はドバイと形質が近い。