ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

アンジェス(株)【4563】の掲示板 2024/01/31〜2024/02/07

>>846

 コラテジェンは「HGF遺伝子」を組み込んだ薬で、筋肉内に注射で投与すると、HGFが産生されます。HGFは「肝細胞増殖因子」と呼ばれるタンパク質で、臓器の修復や新たな血管を作る作用があります。血管の閉塞付近で作用すると、閉塞箇所を迂回するように新たな血管が作られ、血流が回復するのです」

 従来の薬物療法と大きく違うのは、遺伝子によって治療するところ。そのためコラテジェンは「遺伝子治療用製品」であり、「再生医療等製品」に分類される。外科的なバイパス手術に対し、「バイオバイパス」と呼ばれることもある。

 具体的には、血管造影など血管を再生させたい部分を決め、その付近の筋肉内に1カ所当たり0,5ミリグラムを8カ所注射する。そして、1カ月後に再度8カ所注射する。効果がなければ3回まで投与できる。

 「症例によって異なりますが、血管新生に少し時間がかかるので、最初の投与から2カ月後くらいから効果が出てくる感じです。臨床試験では12週時点で、全体の改善率は70、4%、Ⅲ度の患者さんの足の痛みの改善率は50%、Ⅳ度の患者さんの潰瘍の縮小率は100%という成績です」

 また、一般的には重症患者の1年後の脚の切断率は約30%ともいわれている。臨床試験での比較的小さな潰瘍の症例であるが、コラテジェン投与後の下肢切断率は1年後5,4%、3年後9,2%と非常に低い結果が得られている。

 すべての重症PAD患者が対象ではなく、コラテジェンを用いた遺伝子治療を実施するには条件があるので、まだそれほど普及していないが、主な診療科は「血管外科」になる。打つ手のない重症PADによる脚の切断を防ぐ治療選択肢が1つ増えたことになる。
         (NO2984 raraさん寄稿 6月3日 より)