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グリー(株)【3632】の掲示板 2017/07/06〜2017/07/09

(7月8日の日経)
グリーは7日、米国のゲーム開発子会社を解散すると発表した。携帯電話で遊ぶゲーム市場を切り開き、国内の市場拡大とともに急成長したグリー。だが市場の変化のスピードについて行けず、2012年6月期をピークに営業利益が減り続けている。

 「約6年の累計で北米でのゲーム開発に300億~400億円規模の投資を行いましたが、それに見合う成果を上げることができませんでした」。7日午後、グリーの田中良和社長は自身のフェイスブックにこう投稿した。

 グリーが北米に進出したのは11年。キャラクターやアイテムを引き当てる有料くじの「ガチャ」がヒットし、12年6月期には827億円の営業利益を稼いだ。

 端末の主流がガラケーからスマートフォン(スマホ)にうつると状況は一変する。グリーはユーザーを囲い込んだガラケーを捨てられずスマホへの移行が遅れた。ガンホー・オンライン・エンターテイメントなど新興勢力に次々と抜かれ業績も急降下。17年6月期の営業利益の会社予想は70億円で、5年前の10分の1以下の水準に沈む。

 グリーの追い上げを阻んだのは市場の急激な変化だ。初期のスマホゲームの特徴は開発費と流通コストの安さ。資金力のないベンチャーでも手軽につくれ、配信したゲームがヒットすれば巨額の利益を得られた。

 やがて端末の性能が上がり、高精細な画像や迫力のある音楽が重視されるようになる。今や1作の開発に3億~5億円をかけるのは当たり前。開発期間も力の入った作品なら1~2年かかる。ベンチャーの存在感は薄れ、人気の上位に並ぶのはカプコンやスクウェア・エニックスなど老舗ゲーム会社の作品だ。

 一方で市場には早くも頭打ち感が出てきた。矢野経済研究所(東京・中野)によると16年度のスマホゲームの売上高は15年度比2%増の9450億円で、17年度も微増の見通し。状況はすでに限られたパイを巡る消耗戦の様相だ。大作主義がはびこり失敗時のリスクも高い。据え置き型用ゲームで83年の任天堂のファミリーコンピュータ発売後、数十年かかった変化がもう起きている。

 グリーは今年投入した「アナザーエデン」が久々にヒットし、株式市場で今期の営業増益が期待されている。ただ、その裏で開発に2年かけた作品が先月、9カ月で配信停止に追い込まれた。市場では消耗戦の厳しさに加え、攻略の難易度も高まっている