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WTI原油価格連動型上場投信【1671】の掲示板 2017/12/09〜2020/03/16

<原油価格が下がってももはや産油国は手詰まり(要約)
| 12/18/2018 - 21:43 鳥羽賢氏

 最近まで順調に上昇してきた原油価格だが、10月以降は急落に転じている。そしてすでに減産措置を実施している産油国にとって、これ以上原油価格が下がっても打てる手があまりない。

 10月上旬以降の下げは単なる調整ではなく、本格的な下げだった。10月以降は世界的な株安が続き、世界経済の後退懸念も浮上。それがリスク回避の原油売りや世界の原油需要減退観測につながり、原油価格は全く反転せず10月上旬以降2ヶ月半にわたって下落。今週になってついに50ドルを割った。

 今月上旬に開催されたOPEC総会で、来年以降も減産を続けることで合意。開始から2年が経つことになる減産措置だが、止められる見通しは立っていない。
 来年以降原油価格が下がったとしても、産油国にできることはもうあまりないだろう。減産幅をこれ以上拡大するのは容易ではない。産油国は収入確保のために原油を売らなくてはいけないので、減産をやり過ぎると経済が苦しくなる。そして1国や2国で減産をしても意味はなく、やるなら協調してやらなくてはならない。しかし多くの産油国の同意をとりつけるのは難しい。
 
 結局2017年後半以降の原油高は、世界的な投機ブームに乗ったような形だった。2017年後半は株式だけではなく仮想通貨が世界的に高騰した。それに乗って今年10月には77ドルまで上がったのだが、10月に株が下落に転じると同時に、原油価格も急落を始めている。

 投機ブームが終わると金融商品は本来の価格まで戻ることが多い。現在の原油下落はそのような動きであり、やはり多少の減産では長期的に原油価格を押し上げるのは難しい。そして産油国には減産以外にできることが少ないため、来年さらに原油価格が下がっても産油国は手詰まりになるだろう。>

先ず指摘すべきは、
・世界的な”再生可能エネルギー”の利用拡大により化石燃料の役割が今後減少していく。
・米国産油業者の生産コスト低下により、20ドルでも採算が取れる油井が増えている。
・中東・南米産油国の生産量は限界点に近く、財政的にも更なる削減は困難。

従って、大産油国が大きな戦争や政変に巻き込まれない限り、来年以降もジワジワと「原油価格は低下を続ける」だろう。