ATMなどから気軽にお金を借りられる、キャッシングとカードローン。どちらもお金を借りる手段ではあるものの、それぞれ明確に違いや特徴があります。
そこで今回は、カードローンとキャッシングの違いをわかりやすく解説します。それぞれのメリット・デメリットについても紹介しているので、自分に合う借入方法を選ぶ際の参考にしてみてください。
元銀行員/mybest 金融サービス情報コンテンツ担当
大島凱斗
元銀行員として、法人顧客の経営支援・融資商品の提案、個人顧客の資産運用相談業務を担当。現在は日本最大級の商品比較サービスmybestにて金融・サービス商材の情報提供コンテンツを統括している。
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目次
カードローンもキャッシングもお金を借りられるサービスですが、何が違うのか気になる人もいるでしょう。ここからは、カードローンとキャッシングの特徴をそれぞれ解説します。
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カードローンとは、特定の利用目的を定めないお金の借入れに特化したローンのこと。専用のローンカードを利用することで、設定された枠の範囲内で何度でもお金を借りることができます。
コンビニエンスストアなどのATMから現金を引き出せるほか、インターネットを通じて自分の銀行口座へ振込むことも可能です。主に、銀行や消費者金融が取扱っています。
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キャッシングとは、ATMや振込みで現金を借りる行為の総称です。つまり、カードローンでの借入れも、クレジットカードを利用して借りることも、キャッシングに該当します。
そのうえで、一般的には「クレジットカードに付帯しているキャッシング機能で借入れすること」をキャッシングと呼びます。
本記事でも、キャッシングを「クレジットカードに付帯している現金借入サービス」と定めて解説を進めるので、カードローンの特徴と比較してみてください。
それぞれの言葉の定義を理解できたと思います。次は、金利や利用限度額、返済方法などの違いを解説していきます。
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カードローンとキャッシングの違いのひとつが、金利です。金利とは、借入れに発生する利息(手数料)の割合を示したもの。金利が低いほど、支払う利息は少なく、返済負担は軽くなります。
カードローンの場合は、銀行カードローンであれば上限が15%程度のことが多く、消費者金融カードローンの場合は上限18%前後が一般的です。キャッシングの上限は18%程度なので、消費者金融カードローンと同水準であることがわかります。
初回の借入時には最高金利が適用される場合がほとんどなので、各サービスの金利を比較するときには最高金利で比較するとよいですよ。
金利の意味や、利息・利子との違いなどは、以下の記事で詳しく解説しています。借入前に金利を正しく理解しておきたい人はあわせてチェックしてみてください。
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利用限度額は、カードローンのほうが高い傾向があります。
キャッシングの場合は、クレジットカードに設定されたショッピング利用枠の範囲内でしかキャッシングができないため、借りられる金額が少なくなりがち。
一般的には10〜20万円程度しか使えないことが多いため、それ以上借りたい場合はカードローンを検討してみてください。
ただし、カードローンだからといって誰でも高額な借入れができるわけではない点には注意が必要です。カードローンの利用限度額は審査によって決まるため、収入状況などによってはキャッシングと同程度しか借りられないこともあります。
なお、以下のページでは、利用限度額がどのように決まるのかについて、詳しく解説しています。キャッシングの利用を検討している人も基本的なポイントは同じなので、参考にしてみてください。
CFP認定者・1級FP技能士/Paradise Wave代表
飯田道子
消費者金融のカードローンの場合、総量規制があるため年収の3分の1までしか借りられません。借入れできる総額は、年収100万円の人なら約33万円、200万円なら約66万円、300万円なら100万円までとなります。ただし、総量規制の上限額は、あくまで借りられる最高額です。実際には審査によって借りられる限度額は変わりますし、他社の借入状況や過去の利用状況などによっても、限度額は変わってきます。
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カードローンの返済方法は、インターネットやATM、口座振替、銀行振込など、一般的に選択肢が豊富に用意されています。
キャッシングは、口座振替のみのケースがほとんど。なかには銀行振込などもありますが、基本的にはクレジットカードのショッピング枠利用分とあわせて引き落としがされます。
ここまで、カードローンとキャッシングの違いについて解説してきましたが、両者には共通するメリットがあります。以下では、借入れのしかたや返済方法など6つの共通点を紹介します。
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キャッシングとカードローンは、いずれもあらかじめ設定された利用限度額の範囲内で何度でもお金を借りることができます。返済すればその分だけまた借りられる仕組みです。
たとえば、利用限度額が50万円で20万円をすでに借りている場合、残り30万円はいつでも借入れが可能。5万円を返済した場合は、利用できる枠は35万円に戻ります。
利用限度額の範囲内であれば必要な分だけいつでも借りられるので、双方ともに便利なサービスといえます。
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キャッシングもカードローンも、状況によっては即日で融資が受けられます。例えば、キャッシング機能が付帯されたクレジットカードを持っている場合や、カードローンをすでに契約済みの場合は新たに審査を受ける必要がないため、即日借入れが可能です。
消費者金融系のカードローンであれば、新規申込みでも最短即日融資を受けられることがあります。申込みから借入れまでの手続きがWebで完結する方法を選ぶと、カード発行を待たずスピーディに借入れが可能です。夜間や土日祝日などは審査に対応していないことがあるため事前に確認しておきましょう。
一方のキャッシングは審査に数日程度かかるため、新規申込みで即日融資を受けることは難しいといえます。即日借入れが必要になったときに備えて、キャッシング枠が付帯されているかを確認しておくのがおすすめです。
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キャッシングもカードローンも、お金が必要になったタイミングで近所のコンビニエンスストアにある提携ATMや提携銀行のATMから借りることができます。インターネットでの申請を受け付けている金融機関であれば、スマホひとつで自分の口座へ振込んでもらうことも可能です。
いずれのサービスも、24時間いつでも必要なタイミングでお金を借りられることがほとんどであるため、利便性が高いのも魅力です。
なお、カードローンは原則として国内でしか使えませんが、国際ブランドのキャッシングであれば海外のATMからでも現地通貨を借りることができます。
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いずれもリボルビング払いを利用して返済できるため、毎月の負担を抑えながら利用できます。リボルビング払いとは、毎月の返済額を一定の金額に固定し、利息と借入残高を返済していく返済方式です。
リボルビング払いは、月々の返済負担を抑えられる便利な方法ですが、借入金額が多いほど、借入期間が長いほど利息(手数料)が増える点には注意してください。
利息負担をなるべく減らすには、月々の返済額を上げることや、お金に余裕が出たタイミングで臨時返済することが重要です。
返済方法については以下の記事で詳しく解説しています。リボルビング払いにも種類があるので、返済が心配な人はあわせてチェックしておきましょう。
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キャッシングやカードローンで借りたお金は用途が問われないため、自由に使うことができます。
住宅ローンや教育ローンなど用途が定められているローンの場合、借りたお金は特定の目的にしか使用できず、資金を正しく使ったことを証明する資料の提出を求められます。
キャッシングやカードローンであれば、冠婚葬祭による急な出費や医療費、ふだんの生活費など何に使用しても問題ありません。ただし、事業資金には使えないといった制限はあるので、利用前に資金使途の条件はチェックしておきましょう。
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カードローンやキャッシングでは、お金を借りる際に担保や保証人が必要ありません。審査に通過すれば、本人のみでお金が借りられます。借入れを家族に知られたくない場合や、担保にできるものがない場合でも、本人が申込むだけで完結するため利用しやすいでしょう。
ただし、本人に返済能力がないと審査で判断された場合は、借入れできません。過去に何らかの支払いを滞納した経験が多数ある場合や、収入が不安定な場合などは審査で厳しく見られるので注意しましょう。
カードローンやキャッシングで借入れする際には、借入先の選び方など注意すべきポイントがいくつかあります。ここからは、カードローンやキャッシングで借入れするときの注意点を見ていきましょう。
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借入先を選ぶ際、審査なしと謳うキャッシングやローンの利用は避けましょう。正規の貸金業者はお金を貸す際に必ず審査を行います。「審査なしで借りられる」といった謳い文句で勧誘するキャッシングやローンは悪徳業者である可能性が高いため、注意が必要です。
SNS上でお金の貸し借りをする個人間融資もおすすめできません。実際にはヤミ金融業者が個人を装っているケースが多く、違法な高金利で貸付けられたり、個人情報を悪用されたりするおそれがあります。トラブルを未然に防ぐためにも、怪しい業者には関わらないようにしましょう。
審査に通るか不安な場合でも、必ず正規の貸金業者を利用してください。正規の貸金業者として登録されているかどうかは、金融庁の登録貸金業者検索サービス(外部サイト)で確認できます。
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借入れする前に、返済シミュレーションを行って無理のない返済計画を立てておきましょう。きちんと完済できるような計画を考えておくと、借りすぎや返済遅延の防止にもつながります。
カードローン会社やクレジットカード会社の公式サイトでは、返済のシミュレーションができるツールを提供していることがほとんどです。借入希望額などを入力するだけで返済期間や利息総額、毎月の返済額などを把握できるので、返済計画を立てる際に利用してみてください。
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キャッシングを利用する場合、ショッピング枠で利用できる分が減少することを理解しておきましょう。
クレジットカードには利用限度額を表す総枠が設定されており、総枠のなかにキャッシング枠とショッピング枠がある状態です。キャッシング枠とショッピング枠にはそれぞれ限度額が設定されていますが、両方を限度額いっぱいまで使えるわけではありません。それぞれの限度額は総枠として共有されるため、2つの枠で利用した分の合計を総枠の範囲内に収める必要があります。
例えば利用可能枠が50万円の場合、キャッシングを利用しなければショッピングで50万円まで利用可能です。このときキャッシングで10万円を利用すると、ショッピングで利用できる金額は40万円に減少します。
キャッシングを利用する際はショッピング枠の利用を控えるなど、キャッシング枠とショッピング枠のバランスを考えて利用しましょう。
カードローンとキャッシングの特徴や注意点を把握できたものの、どちらを利用すればよいのか迷っている人もいるでしょう。ここからは、カードローンとキャッシングの使い分け方を解説します。
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ある程度まとまった金額を借りたい人は、カードローンを検討しましょう。キャッシングは10〜20万円程度しか借りられないことがほとんどですが、カードローンであれば50〜100万円を借りられることも珍しくありません。
前述のとおり、銀行のほうが消費者金融よりも最高金利が低めのため、金利を抑えたい場合は銀行カードローンを検討してみましょう。
一方、急ぎで借りたいなら消費者金融のカードローンを検討してください。銀行カードローンは一般的に借入れまで数日かかりますが、消費者金融なら即日融資を期待できます。
以下のページでは、消費者金融・銀行カードローンのランキングを紹介しています。特徴ごとに絞り込む機能もあるので、ぜひカードローン選びに活用してください。
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少額のお金を、できるだけ早く借りたい人はキャッシングがおすすめです。普段から利用しているクレジットカードにキャッシング枠をすでに設定していれば、すぐにお金が借りられます。
クレジットカードを持っていても、キャッシング枠が付帯していなければ別途申込みが必要です。別途申込む場合は、キャッシングが使えるようになるまで数日程度かかることがある点に注意しましょう。
提供元:mybest
公開日:2022年10月18日
更新日:2024年08月13日
※本記事に掲載されている情報は2022年10月18日時点のものです。お申込みの際は各社公式サイトに記載の最新の情報を必ずご確認ください。
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CFP認定者・1級FP技能士/Paradise Wave代表
飯田道子
はじめて利用するときは、基本的に最高金利が設定されます。いくら年収があっても、どれくらい余裕があるのか・返済期日を守ってくれるか、金融機関側はわからないからです。カードローンは無担保・連帯保証人不要の貸付のため、返済能力がわからない人に低金利で貸してしまうと、金融機関にはリスクでしかありません。これが、初回利用時に最高金利が設定される理由です。