ATMやスマホから手軽に借入れや返済ができるカードローン。カードローンの利用を検討している人のなかには、返済はどのように行うのか、手間はかからないのか、どのタイミングで毎月返済をするのかなど、気になっていることが多い人もいるのではないでしょうか。
今回は、カードローンの返済方法や返済方式について解説します。万が一返済の期日に間に合わず遅延してしまった場合はどうなるのかについても解説するので、不安なく利用するために必ず確認しておきましょう。
元銀行員/mybest 金融サービス情報コンテンツ担当
大島凱斗
元銀行員として、法人顧客の経営支援・融資商品の提案、個人顧客の資産運用相談業務を担当。現在は日本最大級の商品比較サービスmybestにて金融・サービス商材の情報提供コンテンツを統括している。
当サイト内の記事内容はユーザー視点で公正に作成されております。詳しくは掲載方針・ポリシーをご覧ください。
目次
まずは、カードローンの返済方法について解説します。
出典元:Getty Images
口座振替は、あらかじめ指定しておいた口座から借入れたお金が自動で引き落とされる返済方法です。決められた返済日に自動的にお金が引き落されるため、返済日を忘れずにすみます。
口座振替は手数料もかからず便利な反面、引落日までに入金を済ませておかなければ残高不足で引き落しができないため、常にある程度のお金を口座に準備しておくことが重要です。
カードローン会社によっては、一部の金融機関に対応していない場合もあるので、契約のときに確認しておくと安心です。
出典元:Getty Images
カードローンは、銀行やコンビニエンスストアのATMから返済できます。とくに、コンビニエンスストアのATMは24時間営業しているため、自分の都合に合わせた返済が可能です。
ただし、ATMは便利な反面、手数料がかかるので無駄な費用負担につながってしまう点に注意。また、時間帯や曜日によって手数料が変わることもあります。
加えて、システムメンテナンスを行っている時間帯には利用できないため、ATMや借入先の公式サイトやお知らせをよく確認しておきましょう。
出典元:Getty Images
インターネットでの返済は、スマホやパソコン、アプリからインターネットバンキングを使用して行います。
ほとんどのカードローン会社が手数料を無料に設定しているほか、いつでもスマホがあれば返済できるため、夜中や休日に返済を忘れていたことを思い出してもその場ですぐに対応が可能です。
操作方法も簡単で、手軽に返済手続きができることもメリット。ただし、スマホの機種やブラウザーによっては対応していないものもあるため、不安な場合は利用できるか、金融機関に問い合わせるか、公式サイトを確認しましょう。
インターネットバンキングもATMと同じくメンテナンスをしている時間があるので、急ぎの返済や期日が近い場合には事前に確認が必要です。
CFP認定者・1級FP技能士/Paradise Wave代表
飯田道子
総返済額をおさえるためには、繰上げ返済をすることがベストでしょう。繰上げ返済は、いつでも好きなタイミングで行うことができるため実施しやすいはず。
返済の際は、手数料が無料のATM・インターネットバンキングを利用してください。せっかくの繰上げ返済の一部が利用手数料に消えてしまうのは、かなりもったいないですよ。
返済は、毎月決められた日に返済する「約定返済」のほか、「臨時返済」や「一括返済」があります。それぞれの特徴を詳しく見てみましょう。
出典元:Getty Images
約定返済とは、契約者とカードローン会社の双方であらかじめ取り決めた返済日に、約束どおり毎月お金を返済することです。
返済は基本的に毎月必要で、日付は会社によって異なります。なかには、毎月5日・15日・25日・月末のいずれかと返済日を自分で選べるサービスも。給料日のあとを返済日にするなど、無理なく返済がしやすい日を選択することが可能です。
出典元:Getty Images
臨時返済とは、先述した約定返済以外のタイミングで返済することを指し、繰り上げ返済ともいいます。返済方法は約定返済と同じく、口座振替・ATM・インターネットなどで行えます。
臨時返済は、毎月決められた金額を支払う約定返済と違い、返済額を自分で自由に決められること、いつでも返済できることが大きな特徴です。
また、約定返済では利息を支払ったあとに残りの分が元金返済にあてられますが、臨時返済の場合はすべて元金にあてられます。元金が早く減れば利息の負担が減り、総返済額が減るため、お金に余裕があるときには積極的に臨時返済を行うことが重要です。
一括返済は、総返済額を一括で返済して支払いを完了させる方法のこと。一括ですべて完済してしまえば、当然それ以上利息がかかることはないため、総返済額を抑えるには最適な方法といえます。
出典元:Getty Images
カードローンを利用するときには、返済シミュレーションをあらかじめ行い、どのくらい利息がかかるのか、どのくらいの期間で返済していくべきなのかを計画しておくことが重要です。
シミュレーションは各カードローン会社の公式サイトで利用できることがほとんどなので、返済計画の目安にしたい人は確認してみてください。
以下では、50万円を金利18%で24カ月間借入れた場合と、100万円を金利15%で24カ月間借入れた場合とで、それぞれの毎月の返済額をシミュレーションしてみます。
利息は、借入金額×実質年率×借入日数÷365日(うるう年の場合は366年)で計算することが可能です。
<借入額50万円を金利18%で24カ月間借りた場合>
<借入額100万円を金利15%で24カ月間借りた場合>
利息は、借入金額が増えるほど、借入期間が長いほど負担が重くなります。シミュレーションをする際には、いくら借りてどのくらいの期間で返せば利息負担が抑えられるか、いくつかのパターンであてはめてチェックしてみるのがおすすめです。
カードローンの返済額をシミュレーションするカードローンには「元利定額返済方式」と「残高スライド元利定額返済方式」の2つの返済方式があります。
出典元:Getty Images
元利定額は、残高にかかわらず1万円と決めたら完済まで変わりなくずっと1万円を支払い続ける返済方式です。元利とは、元金と利息を表しており、「元金と利息を合わせた一定の金額」を意味します。
メリットは、家計管理がしやすいことです。毎月返済する金額が一定で管理しやすいため、計画的に返済ができます。
一方デメリットは、なかなか元金が減らず利息が増えやすいことです。元金が多いほど返済に時間がかかってしまうため、利息がかさみ総返済額が多くなる傾向にあります。
出典元:Getty Images
残高スライド元利定額返済方式は、残高によって毎月の返済額が変わるタイプです。先述した元利定額返済方式と同様に、元金と利息をあわせて一定の額を返済し続けます。
残高スライド元利定額返済方式では、「残高が20万円以下の場合、最低返済額は1万円」「20万円超50万円以下の場合、最低返済額は1万5千円」と、残高に応じて返済額が決められていることが特徴です。
メリットは、残高が減ると返済額の負担も少なくなること。デメリットは、毎月の返済額の予測がしにくいため、家計管理がしにくいことが挙げられます。
残高スライド元利定額返済方式の返済額は、借入れた金融機関によって返済額が決められているため、返済日までに必ず金額を確認しましょう。
万が一返済期日に間に合わず延滞してしまった場合は、以下の対処法を参考に早めに返済しましょう。
出典元:Getty Images
返済期日が守れなかった場合は、カードローンが利用停止になったり、信用情報に遅延の履歴が掲載されたり、遅延損害金が発生したりと、さまざまなデメリットがあります。
利用停止は、延滞したその日に実行されることもあれば、数日たって停止になるなど金融機関によってさまざま。いずれにしても、返済しない限りは追加借入れすることは難しくなります。
個人信用情報に延滞の履歴が載ってしまうのも避けたいところ。信用情報には、各種ローンやクレジットカードなどあらゆる支払いに関するサービスの利用履歴が掲載されています。ローン審査の際は必ず個人信用情報を見られるので、延滞履歴はマイナスポイントに。延滞の履歴は数年間残るとされています。今後数年間、不利な立場になってしまわないよう、延滞には十分注意しましょう。
また、延滞と同時に遅延損害金が発生する点にも注意が必要です。遅延損害金は日割りでどんどん増えていくうえ、金利は20%と高く設定されているため、返済が滞る日数が長いほど多額の支払いに応じなければいけません。
返済に遅れてしまう代償は非常に大きいため、毎月期日どおりにきちんと返済を行うようにしましょう。
出典元:Getty Images
返済が遅れた場合にやってはいけないことは、連絡をせず無視することです。遅延に気づいた段階で、すぐに借入先の金融機関へ連絡をしましょう。
金融機関に相談することで、返済日を翌月にまとめてくれたり、その月の返済額を減らしてくれたりと、何かしらの対応をしてくれる可能性があります。
連絡せず放置していると、遅延損害金がかさんだり、信用情報が悪化したりと、どんどん状況が悪くなってしまうことに。さらに延滞が続くと、督促状の送付や電話での催促、裁判所からの通知などを経て、最終的には財産を差し押さえられる可能性もあります。
最悪な事態を招かないように、延滞に気づいたらすぐに連絡することを心がけてください。
出典元:Getty Images
弁護士に相談するのは、自分一人では解決できない状況に陥ったときです。返済の見通しが立っていたり、自分で解決できそうであったりする場合は、弁護士に相談する必要性はありません。
督促が来ているにもかかわらず返済のめどが立っていない場合には、弁護士に相談するのもひとつの手です。現状を相談すれば、具体的な対処法をアドバイスしてくれる可能性があります。
法的手段を含めて問題を解決できる場合もありますが、弁護士費用として一般的に10万〜50万円前後の費用がかかる点は理解しておきましょう。
返済に困っていれば弁護士費用を払うことは難しいケースがほとんどなので、何よりあらかじめ計画的な利用を心がけ、遅延しないようにすることが重要です。
弁護士費用は苦しい一方、自分ではどうすることもできないと感じたら、まずは無料相談できるところを探して相談してみるといいでしょう。
カードローンの返済方法について解説してきましたが、利便性を求めるなら、とくにインターネットバンキングの対応金融機関をチェックするのがよいでしょう。また、借入れの際の対応ATMの多さなどもチェックすると、よりよいカードローン選びができます。
以下のページでは各社のカードローンをランキング形式で紹介しています。消費者金融から銀行カードローンまで、幅広く比較検討したい人は確認してみましょう。
ランキングからカードローンを探す提供元:mybest
公開日:2022年09月20日
※本記事に掲載されている情報は2022年09月20日時点のものです。お申込みの際は各社公式サイトに記載の最新の情報を必ずご確認ください。
※本記事の情報は、各ローン会社の提供する個別の商品の内容等を保証するものではありません。また、情報の正確性等についても、これを保証するものではありません。本記事の情報を基に被った一切の損害について、LINEヤフー株式会社は一切の責任を負いません。本記事の情報を営業等に利用すること、第三者への提供目的等で利用すること等を固く禁止します。
※2022年4月の改正民法の施行により、成年年齢が18歳に引き下げられており、記事中における成年・未成年の対象についても変更が生じております。利用条件など各社の求める申込み資格の変更については、事業者ごとに判断が分かれておりますので、お申込みの際は各社の申込みページに記載の最新の情報を必ずご確認ください。
CFP認定者・1級FP技能士/Paradise Wave代表
飯田道子
カードローンの返済方法はいくつかありますが、最もラクなのが口座振替。口座振替は、手続きさえしてしまえば毎月決められた返済日に自動的に口座から引き落とされるので、延滞を避けやすい手段です。
とはいえ、残高が足りない場合は延滞になってしまうので、残高はマメに確認してください。残高に意識が集中すると、普段の買い物で無駄遣いをしにくくなる効果もありますよ。