カードローンを利用するにあたって、必ず理解しておきたい金利の仕組み。負担が重いと聞いたことはあっても、利息・利子など専門用語が多く、計算方法も複雑で、正しく理解するのが難しいと感じている人も少なくないはずです。
今回は、カードローンの金利について、計算の仕組みや利息・実質年率との違いを解説します。いくら借りるとどれくらいの返済が必要なのか、金利の計算例を交えながら説明するので、利用前に確認しておきましょう。
元銀行員/mybest 金融サービス情報コンテンツ担当
大島凱斗
元銀行員として、法人顧客の経営支援・融資商品の提案、個人顧客の資産運用相談業務を担当。現在は日本最大級の商品比較サービスmybestにて金融・サービス商材の情報提供コンテンツを統括している。
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目次
まずは、カードローンの金利や利息の仕組みについて解説します。
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金利を理解するうえで、まず利息を知ることが大切です。利息とは、お金を貸した人が、借りた人から受け取る対価のこと。借りた人にとっては、借入れに対する手数料だとイメージするとよいでしょう。
そのうえで、金利とは、借入金額に対する利息を割合で示したものです。1年単位で計算され、「年率○%」と表記されるのが一般的。例えば、100万円の借入れに対して年間の利息の合計額が10万円に設定されている場合、金利は「年率10%」となります。
金利は、貸す側が、貸し出す金額に対して「どれくらいの利息を受け取るか」をもとに設定されるもの。そのため、申込者は借入れの際に「年率18%」などの金利が提示され、支払う利息が決定します。
利子は、言葉は違えど、利息と同様の意味で使われることがほとんどです。厳密には、利子はお金を借りる側が使う言葉で、利息はお金を貸す側が使うもの。金融機関ではしっかり使い分けられています。しかし、日常生活では「利息」が慣用的に用いられているので、どちらを使用しても、意味は問題なく通じるでしょう。
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実質年率(実質年利)とは、元金と利息以外にかかる事務手数料・保証料といった諸費用まで含めた際の金利のこと。たとえば住宅ローンでは、契約に際して事務手数料がかかります。それら諸費用を、一括で支払うのではなく、分割して返済金額に組み込んだうえで計算される実質的な金利と理解できます。
とはいえ、カードローンで借入れする際、実質年率は基本的に気にしなくてOK。消費者金融をはじめとするカードローンは、手数料や保証料を無料にしているところがほとんどです。
また、金利を宣伝する際は、実質年率で記載することが法律で義務付けられているため、契約してから金利が上乗せされることはありません。つまり、カードローンの場合、実質年率は案内されている金利と同じと考えてよいといえます。
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カードローンで借入れする際の最高金利は、最大で年率20%と法律で定められています。利用者が過剰な利息負担で苦しむことがないよう、利息制限法で消費者金融・銀行などの金融機関が設定できる金利に、制限が設けられたのが背景です。
カードローンの最高金利は、契約している利用限度額に応じて変動します。利用限度額が10万円未満なら年率20%、10万円以上100万円未満なら年率18%、100万円以上なら年率15%。利用限度額が大きいほど最高金利は下がっていきます。
利息制限法の最高金利を超える超過分は無効となり、行政処分の対象に。また、出資法の最高金利20%を超える金利は、刑事罰の対象になります。
なお、闇金は金融庁の許可を得ずに違法で営業しているため、20%以上の高金利が適用されるケースがほとんど。借入れを急いでいるときでも、うっかり闇金を利用しないように注意しましょう。以下の記事では、消費者金融と闇金の見分け方について詳しく解説しています。気になる人はチェックしてみてくださいね。
消費者金融とは? 銀行との違いやデメリットをわかりやすく解説
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カードローンの審査結果により個人差はありますが、一般的に消費者金融カードローンよりも銀行カードローンのほうが金利は低い傾向にあります。
消費者金融カードローンの金利は、100万円未満の借入れなら18%ほどが相場。例えば、消費者金融大手3社の最高金利はプロミスが17.8%、アコムとレイクがそれぞれ18%の設定です※。
一方、銀行カードローンの金利は、同じ100万円未満でも14〜15%ほどなのが一般的。住信SBI銀行が14.79%、三井住友銀行が14.5%、三菱UFJ銀行が14.6%と、消費者金融に比べて約4%低いことが分かります※。
以下のページでは、消費者金融・銀行カードローンそれぞれをランキング形式で紹介しています。金利が低い順に並べて検討できるので、カードローン選びに役立ててくださいね。
※2022年9月7日現在
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カードローンの金利が変わることで返済負担がどのくらい変わるのか、50万円を24カ月で返済するケースを例に確認しましょう。金利は15%と18%とでそれぞれでシミュレーションしています。
<金利15%の場合>
<金利18%の場合>
金利が3%変わることで、利息の差額が約2万円になることがわかります。
自分が借入れを検討している金額で利息負担がどれくらいか気になる人は、以下のシミュレーターで試算してみてください。
次に、カードローンの利息を抑える方法について解説します。
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カードローンを選ぶ際には、最高金利の低さに注目してみてください。カードローンをはじめて利用する場合には、最高金利が適用されるのが一般的。自身の収入状況など審査結果次第になりますが、目安にするのは利息負担を抑えるためのひとつの手です。
銀行カードローン、信販・クレジットカードローン、消費者金融カードローンの3つのなかでも、金利を抑えたい場合は銀行カードローンを利用するのがおすすめ。信販会社のカードローンの金利は18%程度と、消費者金融と同水準であり、先述の通り、銀行カードローンは最高金利が14%と低めな設定のためです。
すでにカードローンを利用している場合は、金利の低い金融機関に借換えることも検討しましょう。以下の記事では借換えの際におさえるべきポイントを紹介しています。借換え前にチェックしてくださいね。
カードローンの借換えにはデメリットもある! メリットや注意点についても解説
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ほとんどのカードローンでは、毎月の返済とは別に追加で返済する、繰り上げ返済(臨時返済)が利用可能です。
毎月の返済金額は元金と利息にあてられますが、繰り上げ返済で支払った分は、利息がかからず全額が元金への返済に当てられます。繰り上げ返済をすることで元金が早く減っていくため、利息の負担を軽くできますよ。
利息は借入金額の多さや返済期間の長さによって負担額が変わるので、積極的に繰り上げ返済を利用して元金を減らすことが重要です。
カードローンの契約を検討する際、最高金利を目安にすることは大切。そのうえで、対応ATMの多さなど利便性まで考慮すると、よりよいカードローン選びができるでしょう。
以下のページでは各社のカードローンをランキング形式で紹介しています。消費者金融から銀行カードローンまで、幅広く比較検討したい人は確認してみましょう。
提供元:mybest
公開日:2022年09月07日
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1級FP技能士/内山FP総合事務所代表
内山貴博
最高金利が定められたことで、過去に高い利息で借りていた人が過払い金請求をして返還してもらえるようになりました。
一方、最高金利により消費者金融側は大変厳しい状況となり、銀行系の消費者金融が中心となるなど業界も大きく変わることに。借入れのみならず金融全般の制度改正は毎年のように行われているので、最新情報に敏感であるほど、上手なお金との付き合い方にもつながりますよ。