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投稿コメント一覧 (17コメント)

  • >>No. 798

    その資料画像は寿司試験で007を投与した9人中の2人の被験者データのようです。
    1の被験者はこれまで抗VEGF療法を9年間で合計58回投与した患者。
    2の被験者は過去1年間で5回投与してきた患者とあります。
    効果については
    1は007投与後、CST中心窩網膜厚が約200マイクロメートル減少し、視力が5文字改善。
    2は、約80マイクロメートル減少し、視力は4文字悪化したとあります。

    用量の記載はありませんが、恐らく1の患者が最高用量2.0mg、2の方は不明です。

    加齢黄斑変性は病態の膨らんでいる中心窩網膜厚が投薬によってへこめばいいので、200マイクロメートルも減少するのはアイリーアなどと比べても優れた薬効です。しかも、すし試験被験者は全員抗VEGF抵抗性患者なのに、たった一発で200マイクロメートルも減少させほぼ正常値に戻すのは凄いことです。アイリーアなど抗VEGF薬はナイーブ(未治療)患者で半年間4~5回投与して成績の良い患者で200マイクロメートルくらいの減少です。

    ではなぜ寿司試験被験者は視力改善に結びつかなかったのか?
    それは網膜組織が瘢痕化してしまって、網膜の視神経細胞が機能してくれない患者が多くいたからです。アイリーアにしても007にしても、薬理作用は血管新生を抑制して腫れた中心窩網膜厚をへこますことだけで次のステップの薬理作用は必要なく、治る見込みのある患者はそれで治ります。豆腐試験は、すし試験と同じ抗VEGF抵抗性患者ですが網膜が瘢痕化してない患者を選んでいます。ですから、腫れが引けば視力は改善します。こういう網膜の状態が瘢痕化してるかどうかで臨床試験患者の選別をする事は、他の製薬の臨床試験でもしています。
    ですから瘢痕化している患者の寿司試験で見るべきデータは、視力の改善ではなく中心窩網膜厚の減少幅です。この点をメガファーマたちは高く評価しているわけです。

  • >>No. 398

    中間ブラインドデータでは「007は優れた安全性と忍容性を示しました」とあり、アナフィラキシーの件は天ぷら試験の容量決定には影響を与えてないと思います。
    天ぷら試験の容量については、フェーズ3試験は規模が大きく様々な症状レベルの患者さんに投与しますから、今まで抗VEGF抵抗性難治患者ばかりの投与でしたから、症状の軽い患者、反応の良い患者に対して最高容量が必要あるかどうか、今の段階で知りたいんじゃないでしょうか?
    いずれにしても、豆腐試験やラーメン試験で効果を上げてないようなら絶対に容量を減らしませんから、自信あっての上で、何かを探りたいのではないでしょうか?

    ラーメン試験へ進んだ被験者の話については
    このラーメン試験はリボミックにとって当初は豆腐試験よりも最重要試験だった可能性もあります。
    豆腐でアイリーアに競り勝ち(でも大差ではないので)ラーメン試験の瘢痕抑制作用とセットで勝ち切りたいと考えていたのだと思います。
    だからリボミックにとってラーメン試験をする動機はとても強く、被験者を集めるモチベーションは高いはずでした。そして、豆腐試験は順調で多くの被験者を送り込めるはずなのに、集まっていない。アメリカは厳しいパンデミックにありながらもこれだけ順調に豆腐試験を進めていて、一つ言えることは失明の危機にある患者さんの治したいという思いはパンデミックも恐れないほど強く、治験参加モチベーションもとても高いということです。それなのに集まっていない。
    ブラインドデータの「改善・安定70%」は、改善と安定でクラスを二つに分けているので改善は15文字以上を指してのことだと受け取ります。より詳細な報告をしないことの理由は分かりませんが、全てを完了するまでは暫定データであるとする試験の厳格さを維持したいのではないでしょうか?

  • 前の投稿で、中間ブラインドデータ「70%改善安定」の中身について「ラーメン試験被験者の除外基準から考えて007は相当有望」だと分析した
    では「残り30%」の被験者は改善・安定が達成できない「悪化」ということになるが、その悪化した被験者は豆腐試験の「アイリーア単剤群」だと判断して本当にいいのか?を探る

    ノバルティスの抗VEGF薬ベオビュとアイリーアの比較試験・第三相臨床試験「MERLIN試験」というのがあって、試験デザインが豆腐試験とよく似ており結果が参考になる
    この試験はアイリーアなど抗VEGF療法を受けているにもかかわらず加齢黄斑変性(nAMD)が奏功しない患者に対し、投与頻度を4週に1回と多頻度で対応したらどうなるか?という試験
    MERLIN試験の対象は、頻繁な抗VEGF療法にもかかわらず網膜液を有するnAMD患者
    豆腐試験の対象は、過去8か月間に少なくとも4回の抗VEGF療法にもかかわらず網膜液を有するnAMD患者

    本来アイリーアは8週に1回。ベオビュは8~12週に1回投与。それを4週に短縮した536人の試験
    2021年5月、ノバルティスは2年予定のこの試験を1年終了時点で安全問題の理由で中止した(ベオビュにより問題があった)

    また、この試験の主要評価項目は「ベースラインからの最高矯正視力の変化」で、
    ベオビュはアイリーアに対し「非劣勢」だった。言い換えるとアイリーアはベオビュよりも若干良かったが、しかしその中身を見るとベオビュ群は1年で15文字以上悪化した人の割合が4.8%、アイリーア群の15文字以上悪化率は1.7%と両者安定どころか悪化も止められていない。注目すべきはベオビュ群が約5%も1年で15文字以上の悪化を出しているにもかかわらず、アイリーア群は「非劣勢」でしか差をつけられていないという点。これはアイリーア群も15文字以下かもしれないが15文字に近い悪化をした被験者を多数出していることを意味している。投与間隔を短くしたにも関わらず、アイリーアでも全く悪化を食い止められないのだ。更にこの試験報告では、改善や安定について一切触れられておらず統計的有意差ある改善安定被験者は出していないと解釈できる
    臨床試験は最も厳格な有効性のデータ。豆腐試験で改善・安定ではない残り30%はアイリーア群であると判断する事について、MERLIN試験データは有力根拠だ


  • 株式市場はすし試験の結果データを軽んじた評価をしました。というか理解できていない。しかし幾つかのメガファーマはじめ国内外製薬から非常に強い引き合いがあると、リボミックは今回だけでなくこれまでもコメントしています。

    すし試験結果データのコホート3の被験者3名のグラフ。
    すし試験被験者は豆腐試験被験者よりも更に難治性患者であるにも関わらず、単剤1発でたった1ヶ月で正常値まで網膜の腫れを治したことを、メガファーマのプロ達は驚いたのだと思います。プロ中のプロのメガファーマ達が非常に強い関心を持つというのは、市場が理解できていないことを見出しているからでしょう。
    それを豆腐試験でも再現しているのだと思います。

    「豆腐試験でBCVA最高矯正視力が15文字以上大幅改善した被験者はラーメン試験に参加したくても参加できないという除外基準」
    というのがあって、ここから私が計算したものがあるんですが
    15文字以上の改善をした被験者がとても多くいる可能性があり、単剤の群からも少し改善者がいる可能性もあります。

    いずれにしても、007が絡む投与の、実質的な改善安定は100%だと、私も思います。

  • 中間ブラインドデータ「改善安定70%」は
    その中身「改善の割合は?」「何文字を改善と定義?」「どの群が改善で安定?」が分からない。しかしこの判然としない中身について以下の分析で迫れる
    「豆腐試験を終了した被験者が継続参加するラーメン試験の組み入れ除外者基準」には、豆腐試験でBCVA最高矯正視力が15文字以上大幅改善した被験者はラーメン試験に参加したくても参加できないという除外基準がある。
    当初ラーメン試験は40名計画だったが実際は22名。登録者数が計画割れと聞くと不安になるが内実は逆。この計画割れ背景は、豆腐で15文字以上改善した患者が多数出たことで次々と除外された事を暗示していて、その除外人数を計算することで「改善安定70%の中身」に迫ることが出来る

    ラーメン試験参加資格は豆腐試験完了者。ラーメン登録完了は8月末で22名。従って8月末までに豆腐試験20週を完了するには3月末までには豆腐登録を済ます必要。21年2月1日豆腐41人登録完了。米国コロナ影響でワクチン接種加速までは月4名登録ペース。従って3月末までに49名が登録完了と推定。この患者がラーメン対象者。その内、豆腐は全米8ヶ所だがラーメンも継続する病院は内6ヶ所。2ヶ所の患者は除外し37名がラーメン対象者と最終仮定。つまり37名中22名がラーメン参加なので、行方不明15名はどこ行った?を探る事が核心

    豆腐は3群で構成され、ラーメンへはこの3群から均等に進められる。12・12・13名の群で計37名とし、37引く22人の15名が行方不明。理由は以下3つ
    ① 上述通り豆腐で改善し過ぎて除外された
    ② 高齢で他の病気が悪化し継続不能になった。ただし豆腐は無事完了しているのでその可能性は低い
    ③ 豆腐で良好だった70%とは違う群の患者が治験に失望し脱落した。しかしこの可能性は無い。アイリーアですら治らず失明と向き合い切実な思いで治験参加する患者が、オープン試験ラーメンで次は確実に待望の007が投与されると知らされたにもかかわらず
    無償治験を試しもせず脱落する理由がない

    以上より行方不明15名の理由は「15文字以上改善をしたために除外された」としか言いようがなくなる
    計算上37人中15名40%が15文字以上改善
    単剤群からも2~3名改善した可能性
    併用群は多くが改善
    上記数字の傾向は豆腐試験結果全体にも通じるだろう

  • 世界のトップ科学ジャーナルの一つ「セル・ステムセル」に(セルの姉妹誌。幹細胞分野で世界トップ)
    加齢黄斑変性の治療標的はfgf2であるという論文が今年掲載された。Ruchira Singh, PhD著
    これは意味合いとして大きいし、たまたまリボミックの試験中と重なった。

    この論文は、加齢黄斑変性の根本的メカニズムを人間モデルで再現した世界初のデータ。
    全身を流れる血清中のMMPが網膜の局所で炎症を引き起こすことで、
    「網膜色素上皮」が壊れ「脈絡毛細管板」が機能不全を起こして「病的血管新生」が生じ、加齢黄斑変性を発症する。それら発症メカニズムに深く関わるのがfgf2だと。
    そして注目すべきは、内皮細胞が機能不全に陥ってなくても、血管新生や瘢痕は生じるとある。つまり、血管内皮細胞の増殖因子vegfはそんなに深く関係ないと言っている点。

    抗VEGFは血管新生を抑制するのみだが、抗FGF2は根治に近づくものになるのかもしれない。

  • ClinicalTrials.govという治験データベースや
    リボHPの英文中間ブラインドデータ資料にも記載あります。

  • 数字上の分析を一つ
    米国で実施された豆腐試験はコロナの影響で20年春に2ヶ月弱中断し、コロナ影響で若干名脱落もあったが、結果的には81名登録予定が86名まで増えて登録完了している。一般に、治験登録が順調かどうかは現場の医師や被験患者さんのモチベーション(効果の無い治験薬は参加したくない)の影響を受けるので、駆け込み乗車のように計画を上回ったということは良好なのだろう。

    しかし、豆腐被験患者が続けて参加するラーメン試験の登録者数が計画40名に対して8月末の登録完了で22名しかいない。これはどういうことか?
    豆腐は順調だったが、一転ラーメンは不調だったのではない。
    豆腐試験でモチベーションが上がった患者さんはラーメンも続けて参加したかったはずだ。患者さん達はこの治験が終われば再び抗VEGF療法を受けるのだし、それだったら「実感あった」007をラーメンで継続したとしても、病院に出向く手間としては同じでもある。
    ではなぜ、22名しか集まらなかったのか?
    ラーメン試験参加の要件として「豆腐試験でBCVAが15文字以上の回復をしなかった患者」とある。つまり、豆腐で回復し過ぎたらラーメンに参加できないのだ。
    リボは当初15文字の回復は難しいと想定しラーメンを40名と計画した。しかし予想外のことが起きたのだろう。
    私の計算上だが、中間データ8月末のカットオフ時点で50名の評価完了数を参考にし、この50名ちょいがラーメン参加資格があると想定。豆腐試験は全米8施設で実施しその内からラーメンは6施設に減る。その2施設分を差し引いたら実質40名ちょいがラーメン資格対象となると想定。つまりほとんど全員がラーメン継続すると計画していたのだろう。しかし約半分しか参加していない。じゃあ残りの半分はどこ行った?
    つまり、残りの約半分が15文字以上の回復をしたために参加できなかったのだろう。

    改善・安定70%の内訳は、改善それも15文字以上が40~50%もありえる。
    単剤でも一部が改善してる可能性すら出てきた。

    アイリーアの治療効果については参天製薬公表の治験データグラフを見てください。どのような治療成績グラフなのか。
    豆腐試験参加者はAMD患者になって1~20年の人たちで直近過去8ヶ月に4回アイリーアを投与した人たち。つまり治療継続中の人たち

    計算間違ってると思うほどの数字。どうなるか?

  • 臨床試験の高用量、中用量、低用量ということでいうと、こちらの用量の数字も気になる。
    加齢黄斑変性の天ぷら試験。この用量が治験データによると0.2mgである点。
    豆腐試験は、すし試験で得た高用量と同じ2.0mg投与なのに、なぜ天ぷらは0.2mgと、豆腐の10分の1なのか?
    もちろんこれは安全性に揺らぎが出たからではない。安全性については、中間データでも007は安全性に優れているとある。

    おそらくは、豆腐試験で改善組が「メチャクチャ効いた」のだろう。
    網膜のプロ中のプロの治験医師たちが、長年の抗VEGF療法経験では得られない患者の変化を豆腐とラーメンで目の当たりにし、それが007がもたらした以外にあり得ないと判断したのだろう。
    (抗VEGFが効く患者の視力変化はBCVA変化グラフから判断すると、治療開始最初の1~2ヶ月が凄く効いて半年後には高止まりする。豆腐試験の被験者たちは患者歴1~20年で、抗VEGF療法が効くタイプの患者ならとっくに効いている。)

    天ぷら試験は、第3相試験前に結局どの用量が正しいのか探りにいってる試験に思える。豆腐試験は2.0mgでむちゃくちゃ効いた、のだろう。では、すし試験で最低用量だった0.2mgならどうなのか?という感じに、3相試験を前に、用量を探ってるように思える。
    そうでなければ、なんでわざわざこのタイミングで0.2mg大幅減量なのか?となる。

    最近の話なら、「アンジェスのワクチンは効果なしだから、より高用量の2倍~4倍で試してみる」と用量をおもいっきり上げてなんとか挽回しようとするが、007は真逆でおもいっきり減量しての試験。これは何なのか!?もちろん安全性の問題ではない。
    それに合点がいく合理的説明は、3相を前に用量を探ってる、としかいいようがない。

  • 10月8日(金)
    第 39 回日本骨代謝学会学術集会
    シンポジウム
    「軟骨無形成症治療薬としての抗FGF2-RNAアプタマーの開発」
    木村 武司(大阪大学大学院医学系研究科小児科学)

    木村先生は軟骨研究者で、
    リボミック、阪大の大薗先生と共に
    科学ジャーナルScience Translational Medicineに掲載された軟骨無形成症論文のトップに名前が載る共同執筆者。

    何か出てこないかな?

  • 参天製薬のアイリーアについての紹介によると
    アイリーア治療効果の出る患者とは、投与後すぐに新生血管が治まり視力改善へと向かい、最初の一ヶ月の改善が目覚しく、2ヶ月目から半年目まではわずかな緩やかな改善へとなる。そして半年後からは高止まりし、その後は改善値を維持するための投与へと移っていく。
    つまり、アイリーアは治療開始から徐々に徐々に良くなっていく薬ではなく、即効性があるが半年ほどで改善は高止まりする特徴がある。

    豆腐試験の被験者は、直近の過去8ヶ月に4回のアイリーアを投与されたにもかかわらず新生血管が治まらなかった患者。実際は、もっと長い治療歴のある被験者もいるだろう。
    つまり、抗VEGF療法の特徴から言って、8ヶ月あるいは数年の抗VEGF療法を受け続けたのにもかかわらず改善しなかった患者が、この治験に参加して突然アイリーア単剤で改善し始めるということは起こらないということだ。

    新生血管のVEGF経路を抑えるには、VEGFAとCを抑えなければならないが、アイリーアはAのみ。
    一方、fgf2はVEGFR2というレセプターにも結合しVEGFAとCにも作用するので、併用すれば相乗効果が生まれる。また、VEGFとは別のSTAT3を介する新生血管経路にもfgf2は関わっており、抗VEGF耐性患者を対象にしたこの治験で改善を示した群が確認できたことは明るい。

  • 株式報酬の発行価額が決定したので
    軟骨無形成症フェーズ1データ開示できるようになった。


    抗VEGFが治療薬の糖尿病性網膜症も、世界市場は8000億円と大きい。
    加齢黄斑変性症と合わせて2兆円市場。
    もしも併用剤としてnAMDのほんの5%市場取っただけでも、
    フェーズ2ロイヤリティ12.5%で年間75億円の売上げ。純利益40億円にもなりうる。
    この数字のバイオベンチャーの時価総額比較対象は?
    そーせい、100億円の売り上げ、純利益12億円で時価1600億円。
    ステムリム、23億円の売り上げ、1億3000万円の純利益で時価413億円。

    従業員の方々も、今のうちに株もらっておきたいよね。

  • 日興Web IR 個人投資家向け企業IR動画の25分頃

    軟骨無形成症1相ただいま解析中で
    「とどこおりなくすみやかにフェーズ2へ進めるだろうというのが臨床試験の現状」
    だそう。

    その解析に時間かけてるようだが、
    「アプタマーの全身投与」での疾患治療は世界初だから、分解されやすいRNAの全身投与での薬物動態解析は世界の医薬界全体の責任を担うもの。
    トップランナーとして、医薬界全体のために慎重に多角的にしてるんでしょう。

  • ここ最近、社員が増えてる中でまた3~4名募集中
    特に、CMCまた募集。CMCはプロダクト比重の仕事で、上市へ向け動き出してる感を推し量れる。人を増やしたりオフィス増床は、隠れてる業況の先行事象として良い兆候。株式報酬や従業員給与アップ(四季報では50万円以上)からも、会社がずいぶん強気に傾いてる

    天ぷら試験を担当するMaturi医師は、ラーメン・豆腐試験ともに参加。
    加齢黄斑変性など網膜の専門医で、世界中で指導医も担うかなりの優秀医。治験経験も豊富
    ラーメン試験はオープンだから、ダブルブラインドの豆腐で投与してた患者さんがラーメンにも継続参加してきたら、「あなたは豆腐で007投与されてたんですね」と気づく事になる。患者側も気づき、007と知っててラーメン治験に応じる事になる。結果的に世界で最も007の効果を実感できる立場にあるのがMaturi医師。当然、リボミックも把握している

    天ぷら試験に際して、Maturi医師は以下のようにコメント
    「滲出型加齢黄斑変性治療での新規メカニズムの有効性を実証できる可能性にエキサイティングしています。」
    短いコメントだが、「エキサイト」と強い感情的表現。「期待してます」みたいな決まり文句ではなく、実際の被験者を担当してきた最前線の医師が思わずエキサイトと言ってまった

    天ぷら試験は、2相以降試験なのにアイリーアとの比較試験がなく、プラセボもなく、しかも007単剤で併用試験もなく、寿司9人よりも少ない被験者数たった5人以下という内容から、天ぷら試験は3相大規模試験前にその試験デザインを構想するための予備試験と解釈する

    もし、豆腐とラーメンが駄目で挽回するための天ぷら試験という位置づけならば、比較試験をやらず、たった5人という少な過ぎる被験者数では価値あるデータと認められず、挽回にもならないやるだけ無駄な試験となる

    豆腐とラーメンで良い感触を確認できたら天ぷらを開始するという設計だったのだろう。医師主導治験といってもリボミック依頼に決まってて、規模が最小クラスの探索的試験だから企業治験という格好にはしなかった。今までは難治性患者ばかりを対象の試験だが、3相は非常に大規模で初期症状患者(治療未経験患者)にも試験する。その初期症状試験データのみが今現在持っていないので、この天ぷらで小規模に予備的に実施し獲得する。

  • エーザイのアルツハイマー治療薬が、本当に効くかどうかも分からないのに、FDAから異例の「条件付き承認」が出たのはアルツハイマーにまともな既存治療薬が無いから

    一方、加齢黄斑変性(AMD)には患者の50%に十分な効果をもたらす有力な既存治療薬が存在する。アイリーアなどの抗VEGF薬

    まともな既存治療薬が存在する疾病の臨床試験、今回のリボミックが挑む加齢黄斑変性試験の場合は、たんに007が薬効を示せば承認という低いハードルではない
    アルツハイマー臨床試験なら、ほんのちょっと幻のような薬効を示せば「承認」だが
    AMD試験は、たとえ薬効を示しても既存治療薬に勝たなければ、意味が無いものとして承認されない

    先般の天ぷら試験は、治療未経験の軽い症状の患者で、たったの5例以下
    これが何を意味するか
    豆腐やラーメン試験で、もし007が優越性、非劣勢を証明できていないのなら、天ぷら試験をやる意味はゼロということ。ましてたったの5例以下の試験では、何かしら挽回できる人数ではない
    つまり天ぷらで、軽い症状の患者たった5人にアイリーアと比較試験すらせず「効いた」としても、でも豆腐やラーメンでアイリーアに対して優越か非劣勢を証明できていないなら(つまり負けてる)、たとえ抗fgf2が新規機序だとしても007は薬として承認されず、天ぷらをする意味が全くなくなってしまう

    繰り返えすと、たとえ天ぷらですごく良く効いても、豆腐とラーメンでアイリーアに対して劣勢なら、「天ぷら試験で示す薬効の価値はゼロ」のまま。だから、豆腐やラーメンがかんばしくなく何かしら挽回しようという理由で、アイリーアと比較試験すらしない天ぷらをやる、そんな無駄で非合理な進め方をプロたちはしない

    007の試験は、1相は安全と効くか効かないかの試験。2相は、アイリーアに勝てるかどうかの試験
    だから2相以降のここにきて、天ぷら試験で「効くかどうかの試験」に舞い戻ることはない

    2相で手ごたえがあったからこそ進められる、アイリーアとの比較試験すらしない、症状の軽い患者への天ぷら試験
    アイリーアとわざわざ比較試験する必要がないと、豆腐ラーメンで手ごたえ感じたからこその、併用試験ですらない007単独での天ぷら試験
    もし本気でやばいと思ってるなら、天ぷらはアイリーアとの併用試験に必ずする所だが、007単独試験という自信の表れ

    3相へ

  • 加齢黄斑変性のような有力既存治療薬(抗vegf)がある疾病の臨床試験は
    まず試験の対象者となるのは、末期症状で強い治療抵抗性の患者からはじめる。(SUSHI試験の対象患者がまさにそういう人たち。がん患者ならステージ4相当)

    そこをクリアしたら、次いで、既存治療薬への抵抗性患者へ進む。(TOFU試験の対象患者がまさにそういう人たち。がん患者ならステージ3。)

    未治療患者(ステージ1~2相等)への試験は、そういった治療抵抗性患者の試験を通過し、好感触を確認して初めて実施される順となる。

    当たり前だが、病気とはほっといたらどんどん進行し悪くなるもの。そういった時間との戦いにある患者さんの貴重な時間を、効くか効かないか分からない臨床試験薬で無駄にして、症状が悪化したら大きな責任問題になるわけ。有力な既存治療薬がない疾病の臨床試験と、アイリーアのような有力既存治療薬がある疾病の臨床試験とでは、対象患者の運び方の慎重度が全然違ってきます。

    つまり、医師主導で未治療患者(治療すれば治る見込みが高い患者)への治験を開始するということは
    「変な治験に参加してアイリーアで治療しなかったばっかりに症状が悪化して、どうしてくれるんだ!時間を返せ!」
    とはなりませんよ、という確たる自信が無ければできない、踏み込めない治験順序。

    未治療患者を対象にする臨床試験は、実はすごろくでいう上がりに近いからこそ、出来ること。どの「治験すごろく」でも最初は、進行患者、末期患者、治療抵抗性の強い患者からスタートする。特に、既存治療薬がある臨床試験では、上手く行くごとにステージが軽い患者での試験へ移っていく。

    このTEMPURA試験は、第3相試験デザインを構想するための、事前試験と解釈する。

  • TOFUの2相試験がユニークなのは、二重盲検試験TOFUから継続する追加試験RAMENがオープン試験なところ。
    二重盲検のちオープン。
    つまり、全く見えなかったものが、今見えてる!

    TOFU試験は二重盲検だから、アイリーア単独に対して007単独・併用が優越かどうかは今も分かってない。
    しかし、ラーメン試験へ進んだ患者の今の症状に至る治療成績の把握はできるだろう。
    オープン試験とは、患者本人や医師やリボミックが、その患者に今どの薬を投与してるのか理解して行っていること。そしてラーメン試験を受けることで、TOFU試験においてその患者が007を単独か併用かで投与されていたことも、明るみになるということ。RAMEN試験中の今の網膜の状態やどれくらい視力回復したかが、判明しているということ。

    TOFU試験は27 名 x 3 群の81名で構成された。アイリーア単独、007単独、併用。
    そしてラーメンは、TOFU 試験を完了した約 40 名で構成。
    この40名は、007単独27名と、併用群から半分の13名で構成のデザインと想定。

    患者の立場になって考えたら、ちっとも効かない薬をいつまでも投与され続ける人体実験には、途中から協力しようと思わなくなりドロップアウトしたくなるだろう。実際、治験のドロップアウトは多い。
    しかし、TOFUもラーメンも登録は順調という。

    さらには
    RAMEN試験の最初の被験者投与は20年11月11日にリリースがあった。
    そして、RIBOMIC USAの新CEOベズワダ氏選任のリリースは21年2月22日。
    2つの発表の時間差は100日以上。
    XOMA 社の開発副社長を引き抜くには、ベズワダ氏の立場になって考えたら今のポストを捨ててリボミックに移るなら、その説得材料が必要。
    RAMENに進んだ患者群を分析し、007の効果を確認し、ベズワダさんを招聘するに値するデータを持って、説得し口説いた。そうでなければ、ベズワダ氏がXOMA 社を辞める理由がないし、アリ氏に退任してもらう理由もないし、アリ氏をエグゼクティブで残しながら人件費増となる新社長招聘も実現できない。

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