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NYダウ【^DJI】の掲示板 2022/03/19

戦略的曖昧という戦術。ごまかした分だけツケはあとに回されインパクトは増大する。そしてマーケットはミスリードされてします。やがてハッキリと見えてくる悍ましい悪魔のシルエット。射程圏内に入ったのち焦りだすそんなマヌケをやらかしそうで愉しめる。

FOMC後、株価急反発の理由

利上げ7回というFOMCのタカ派姿勢にもかかわらず、株価が上昇したのはなぜか。
中央銀行には「建設的曖昧さ=constructive ambiguity」という戦術がある。意図的に曖昧な発言により難局を切り抜ける、という意味だ。
例えば、今回、年内利上げ7回が決定されたわけではない。FOMC参加者が予測する2022年末金利水準の中央値が0.25%刻みで7回分に相当するということだ。パウエル氏も述べているように、金融政策の決定事ではない。
さらにパウエル氏は、「全てのFOMC会合がライブである」と、従来の発言を繰り返した。データ次第、地政学的リスク次第で、利上げの有無を各会合ごとに決めてゆく、という姿勢である。「ウクライナ情勢は不透明」とも述べている。nimble(=機動的)に対応するという表現も、最近のパウエル氏は好んで使う。
結局、今回のFOMCで決まったのは、0.25%利上げ1回ということだけだ。
さらに、ブラード・セントルイス連銀総裁が0.5%利上げを主張して反対意見を述べたことも記されている。同じくタカ派の、メスター・クリーブランド連銀総裁とジョージ・カンザスシティー連銀総裁も、より強い引き締めを論じた可能性がある。例えば、メスター氏は、FRB保有資産の圧縮に関して、住宅担保債券(MBS)の一部を売却し、FRB保有資産の構成を米国債を中心にすべきだ、と具体的に語っていた。しかし、資産圧縮関連は次回にまわされた。
まとめ役のパウエル議長は、FOMC内部のハト派とタカ派の調整役にまわり、建設的曖昧さに徹した可能性もある。同氏は、議会公聴会の前にも、個々の議員たちと、こまめに根回しをしたことが、質問側の議員たちの発言からも確認された。「先日は、ご丁寧な説明に感謝します」などの謝辞がしばしば聞かれた。