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ASMLホールディング【ASML】の掲示板 〜2021/10/20

 先端ファブレス企業が生産キャパシティ獲得のために、TSMC及びSamsungにおける最先端プロセス争奪戦が激しくなっている。最先端ラインはTN5とTN7+である。EUV露光装置(以下。EUV)の使用レイヤー数は、TN5で15、TN7+で5である。2021年にはTSMCでTN3リスク生産が始まる。TN3では32のレイヤーにEUVが使用される。

 Samsungも李副会長が10月にASMLを電撃訪問して2020年に9台、2021年以降には毎年20台のEUVを要求した。実際には、2020年にEUVが4台導入され、残りの5台は2021年早々に導入されると言われている。それに対応して11月にASMLのPeterCEOがSamsungを訪問してEUVの協力関係について話あいが行われ、Samsungは次世代のHighNAのEUVを2023年に導入したいと要望した。次世代EUV技術でTSMCに先行したいという。

 ASMLは生産能力の2倍弱の注残を抱えている。現状の生産リードタイムは11~12ケ月。工期短縮のためのネックはEUVの巨大反射ミラー(Carl Zeiss製)である。ASMLはCabinと呼ばれる巨大なクリーンルーム建造物でEUVを生産(1台/Cabin)している。注残を解消するためには現在保有しているCabin数(約35推定保有)を拡大するかまたは工期を短縮するかである。2021年のTSMCとSamsung2社の要求EMVは合計75台と言われているが、ASMLの生産能力を大きく上回り供給は不可能と言われている。

 TSMCの最先端ラインの顧客はAppleを筆頭に現在9社にインテルが加わる可能性が高くなっている。一方、Samsungは自社プロッセッサーとIBMスーパーコンピューターとQualcommプロッセーサー製造にEUVを使用している。NVIDIAとは試行ライン歩留まりが悪く委託生産を逃してしまった。しかし。2019年に発表した「Vision2030」(2030年までに約12.4兆円投資して、ファウンドリーのリーダーを目指す計画)を実現したいと強気である。

 さて、TSMCとSamsungのEUVの争奪戦とASMLのEUV生産キャパシティ拡大は今後どのように進展していくか注目すべきである。