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全値戻協会本部~南無全値戻心経~の掲示板

>>425

「予想外の資金調達市場への圧力を受け、FRBは利下げよりも前にQTを唐突に打ち切る」

米モルガン・スタンレーは昨年12月に「24年の10大サプライズ」と題したリポートで、もし起きたら影響が大きいリスクの一つにこう掲げた。QT終了の公式予想は25年初め。利下げ開始の想定は今年6月なので、幕引きは春ごろに早まる。

考えられる要因の一つがBTFPの廃止だ。QTは民間が買う国債を増やし、市場の余剰資金を吸い上げる。これにBTFPの終了が重なることで銀行の資金調達を巡る環境が急速に悪化し、QTを続けられなくなる、というストーリーだ。

実際、複数の米銀関係者によると一部の銀行では、高金利でお金を集めてきたMMF(マネー・マーケット・ファンド)との間で資金獲得の競争が続く。予防的な資金需要は消えていない。

債券の含み損問題も残る。米銀全体だと昨年9月末の保有証券(株式除く)の含み損は6800億ドル強に及ぶ。

それだけにBTFPの存在が安心感をもたらし、銀行の投融資を刺激してきたとの見方もある。みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは「取り付け騒ぎの中心だったはずの中小銀行で不動産向け融資の増勢が強まっている」と語る。

米財務省金融調査局が金融の緊張度合いをみるために算出する金融ストレス指数によると、利上げ打ち止め説が強まった昨年以降、金融環境の緩みが鮮明だ。BTFPが間接的に寄与しているのなら、その廃止は流れを変えるかもしれない。

小林氏は「FRBはBTFPを打ち切る代わりに早めに利下げに動く可能性がある」と読む。

過去、FRBの急激な金融引き締めは何らかのかたちで危機を誘発してきた。BTFPの廃止が市場混乱や景気下振れの契機となる可能性はゼロとはいえない。少なくとも利下げやQT終了を展望するうえで外せない論点ではあるはずだ。