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【米国市況】株下落し国債上昇、中東情勢懸念で逃避-153円25銭近辺
2024年4月13日 6:08 JST

 この日の午前中にブルームバーグ・ニュースは、イスラエルがイランから直接もしくはイランの代理勢力から数日中に無人機やミサイルで政府目標が攻撃を受ける可能性に備えていると報道。イスラエルは、レバノン領内からロケット弾40発が発射されたとして、一部については迎撃したと明らかにした。バイデン米大統領は記者団に対し、イランがすぐにでもイスラエルを攻撃すると予想していると発言。攻撃するなというのがイランに対するメッセージだと語った。

12日の米金融市場では、地政学リスクの高まりから株式相場が大幅安。一方で逃避需要から国債やドルを買う動きが広がった。
 カーステン・フリッチ氏らコメルツ銀行のアナリストは、イスラエルとイランによる直接衝突となった場合、中東での対立が激化し、原油価格の大幅な上昇につながると指摘する。
 中東情勢やウクライナによるロシアのエネルギーインフラへの攻撃などを受けた地政学的緊張の悪化を背景に、原油のオプション市場では強気の動きが広がっている。
 インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トレス氏は、直近の動きについて、投資家心理と高い株式バリュエーションが地政学的対立や根強いインフレ、原油価格に対していかに脆弱(ぜいじゃく)であるかを示していると語る。
 「投資家は、米緩和サイクルの開始時期の予想を後ずれさせている。米金融政策に代わり地政学が市場のボラティリティーを左右する重要要素の一つになる可能性がある」と分析した。

米国債
 米国債相場は急伸。中東での対立悪化が予想される中で、逃避先として買いが集まった。この日発表された経済指標にも、リスク選好の後退を反転させる力はなかった。4月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は市場の予想以上に低下。一方でインフレ期待は上昇した。

為替
 外国為替市場ではドル指数が上昇。イスラエルがイランからの直接攻撃に警戒しているとの報道が手掛かりとなった。週間では約1年半ぶりの大幅高。
 ドルは、米国と他の主要国・地域の金融政策の乖離(かいり)にも支えられている。金利スワップ市場は現在、米金融当局が9月に利下げを開始し、年内の利下げ回数は2回程度になるとみている。
 米カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は、政策決定者は先手を打って政策を調整するのではなく、利下げの前にはインフレ率が2%に戻るという「明確かつ説得力ある」証拠を待つべきだと述べた。
 円は対ドルでほぼ横ばいの1ドル=153円25銭近辺。朝方には中東情勢に関する報道に反応して円が大きく上昇し、一時152円59銭を付ける場面もあった。

原油
  ニューヨーク原油相場は上昇。北海ブレントは一時大きく上げ、昨年10月以来の高値を付けた。イスラエルがイランの攻撃を受ける可能性に備えているとのブルームバーグ報道が手掛かり。中東地域は世界原油生産の3分の1を占めており、大規模な供給混乱の可能性が意識された。
 北海ブレントは一時2.7%上昇し、1バレル=92ドルを上回った。イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘開始を受けて相場が跳ね上がって以来、付けたことのなかった水準だ。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は一時3.1%上昇した。
   CIBCプライベート・ウェルスのシニアエネルギートレーダー、レベッカ・バビン氏は「イランが直接関与する事態になれば、中東での供給混乱の可能性が高まる」と指摘。「週末に何らかの動きがあるリスクが大きい中で、この上昇局面で売りを出す投資家はほとんどいない」と述べた。
 WTI先物5月限は64セント(0.8%)高の1バレル=85.66ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント6月限は71セント(0.8%)上昇し、90.45ドルで引けた。