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為替市場の掲示板

コラム:円安の歯止め、「必要かつ適切な行動」は介入ではない=佐々木融氏

2024年4月22日

日本の輸出企業は大企業が多い一方、
輸入企業は中小企業が多い。

輸入企業は円買い介入が行われて円が上昇した局面を捉えて、
円売りヘッジを行いたいと考えている。

こうした状況下、財務相らの日本政府高官は、必要かつ適切な行動をとる」とのコメントを発し続けている一方で、行動は起こさない。

このメッセージは誰に向けたものなのだろうか。
円を売っている主体は、極端な円安が続き、
コスト上昇が経営を圧迫している日本の輸入企業である。

政府のメッセージに期待をして、円売りを控えていた先は、
より良い水準での取り引き機会を逃してしまった。

<介入でゆがみが大きくなるリスク>

市場がゆがんで見えるのは、実体経済がゆがんでいるからだ。
市場のゆがみを投機筋のせいにして実体経済に目を向けなければ、
実体経済のゆがみはさらに大きくなってしまう。

また、自国通貨の下落を止めようとする介入は、
自国通貨売り介入に比べてリスクが高い。

市場から「効かない」と見透かされた時に、
本当に投機筋のアタックを受けて、通貨危機につながるリスクがある。

本来、市場の動きが本当に投機筋によるものなら気にする必要はない。
仮に投機筋が誤った認識をもとに円を売っているのであれば、
そのうち円を買い戻さなければならなくなる。


潜在的な英ポンド売り需要が大きいと読み、
それが正しかったからソロス氏は成功したのだ。