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為替市場の掲示板

<家計の動向次第で円安に拍車>

残念ながら、円は潜在的な円売り需要が非常に大きい。日本の貿易・サービス収支赤字、外国株式投信への投資、対外直接投資から発生する円売りは合計年間30兆円近くになると推計される。

そうした中で、日本の家計は今でも1100兆円の
円建て現金・預金を保有している。実質金利が大幅マイナスの中で、
これらの現金・預金は目減りが続くリスクにさらされている。

一方、外貨準備は170兆円しかない。
投機筋が本当に円売りのアタックを始めたら、
日本の家計を味方につけた投機筋が勝つ可能性は高い。

このように、通貨危機につながるリスクを考えた時、不安感を高める。韓国は1997年と2008─09年にウォンの急落を経験している。

そして、現状は韓国ウォンと円の安さの度合いは程度が違う。国際決済銀行(BIS)が算出する実質実効レートによれば、現在の円は1970年時点よりも安いレベルまで売られているが、韓国ウォンは比較的大きく下落した2009年の安値と比べても現状レベルは30%程度高い。韓国より日本の通貨安の方がはるかに深刻な状況にある。アジアで次に通貨が暴落する国のバトンタッチのように見えたのは考え過ぎだろうか。