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トンピンshanの控え室
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>>11

 世界的な人材の移動は、すでに大学の現状に現れていると言わざるを得ない。

 同じことが他の仕事についても言える。日本では、人口高齢化に伴って、労働力不足がさらに深刻化する。多くの日本人は、日本が認めさえすれば、海外から労働力を日本に呼ぶことができると考えている。しかし、日本円の購買力が低下し続ければ、日本に来て職を得るのは、魅力的なことではなくなる。だから、外国人労働力に期待することはできなくなっていく。

 例えば、介護人材を外国人労働力に求めるのは難しくなる。

 逆に、日本人が海外で仕事をすれば、日本に戻ってから豊かな生活をすることができる。だから労働力が流出する。日本人が、外国で介護を行なうような時代になるのだ。

 こうしたことは、現在ではまだ顕著な形では現われいない。しかし、現在のような状況が続けば、早晩、深刻な問題として立ち現れてくるだろう。

野口 悠紀雄(一橋大学名誉教授)