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憎悪が生むハマス復活 戦闘員の7割存続、米政府が警鐘

米政府がイスラエルの軍事作戦に修正を迫っている。イスラム組織のハマス戦闘員の7割がなお存続し、民間犠牲者の増大で膨らむパレスチナ自治区ガザ住民の憎しみがハマス復活の温床になっているとみる。負の連鎖が招く混迷の出口はみえず、米政府は焦りといら立ちを強めている。

「残存するハマスの大隊を排除するためにラファに大規模侵攻しても問題は解決しない」。ブリンケン米国務長官は22日、米連邦議会下院の公聴会でイスラエルによるガザ最南部ラファへの本格侵攻に改めて反対すると表明した。

ラファを制圧しても「武装したハマス(の戦闘員)が何千、何万と残る」とも指摘。米国はハマス壊滅を掲げるイスラエルと足並みをそろえてきた経緯があり、民間被害者が増えるほど「イスラエルはガザで多くの反乱分子を引き継ぐことになる」と唱えた。

兆候はすでにある。米政府はイスラエルが掃討したガザ北部など一部地域でハマスが活動を再開したと懸念する。4月上旬に軍事作戦を終えたガザ南部の中心都市ハンユニスでも復活しており、制圧後のずさんな統治計画に米国は不満を募らせる。

米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長は20日の記者会見で「敵対勢力の一掃だけでなく(地域を)安定させなければならない。イスラエルはそれを維持しなかった」と批判。「そこにとどまらなければ敵は再び勢力を拡大できる」と警鐘を鳴らした。

米政治サイトのポリティコによると、米情報機関は衝突が始まった2023年10月以降にイスラエル軍が殺害したハマスの戦闘員は全体の30〜35%と分析している。軍事能力は弱まっているものの、ここ数カ月の間にハマスが数千人規模の戦闘員を新たに採用したことも抵抗を支える一因になった。

ガザ保健当局によると、23年10月の戦闘開始後のガザ側死者は3万5千人を超えた。米政府はガザの一般市民の犠牲者数がハマス戦闘員を上回っていると解析する。

  • >>6900

    ラファにはガザの他地域から移った避難民を含め100万人超がいる。最大の後ろ盾となってきた米国が武器支援の大幅縮小というカードを切ってまでイスラエルに侵攻を思いとどまるよう繰り返すのは、将来にわたり憎悪による暴力の応酬が止まらなくなる事態を断つ狙いがある。

    米国がイスラエル政府にガザ市民への人道支援を拡充するよう強く促し、米軍主導でガザに海上輸送できる桟橋を建設したのは食糧を含む物資難に直面するガザで反イスラエル感情を抑えようとする思惑があった。

    米国はかつて軍事介入した中東などで反米感情が高まった結果、統治に失敗した教訓を生かそうとイスラエルに働きかける。ブラウン氏が「ハマスはイデオロギー(集団)であり、ガザでは軍事面だけでなく人道支援や民間人保護に注力する必要がある」と訴えるゆえんだ。

    米政府は戦闘終結後のガザ統治を巡り「イスラエルが再び占領するのは認められない」(ブリンケン氏)との立場をとる。米国自身の過去の挫折を踏まえたパレスチナを含むアラブ諸国中心の共同統治構想を実現できるのか。イスラエルのラファ本格侵攻を止められなければ、その前提が崩れかねない。