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長期金利、11年ぶり1%到達 復活する「金利ある世界」

長期金利が1%の大台に到達した。22日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが上昇(債券価格は下落)し、一時1%を付けた。1%は2013年5月以来およそ11年ぶり。日銀が国債を大量に買う異次元緩和で長期金利は長くゼロ%台やマイナス圏に抑え込まれてきたが、1%に到達したことで「金利ある世界」が現実のものとなってきた。

長期金利を押し上げたのは日銀が追加の金融政策修正に動くという市場の思惑だ。日銀は24年3月にマイナス金利の解除など政策修正をおこなった。ただ、その後も円安が止まらず、円安による物価押し上げをとどめるために日銀が早期に追加の利上げや国債買い入れの減額に動くとの見方が強まっている。

長期金利1%乗せのきっかけになったのは、財務省が22日昼に実施した40年物国債入札。生命保険会社など償還年限が長い国債を欲する投資家の需要が想定よりも集まらない「弱め」の結果となったことで、需給の緩みを意識した債券売りが出て0.98%前後で推移していた長期金利は午後2時過ぎに1%に達した。

長期金利は住宅ローンの固定金利を算出する際に参照することが多い。企業の資金調達にも影響を及ぼす。政府がお金を借りる際の金利であるため、政府が金利の支払いに割かなくてはならない金額は膨らむ。

長期金利は12年4月から1%割れの水準が定着した。13年3月に日銀総裁に黒田東彦氏が就任すると、市場に大量のマネーを供給する「異次元緩和」政策を開始。日銀のバランスシートに国債を年50兆円という異例のペースで積み上げることで長期金利を押し下げた。

  • >>6832

    米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長(当時)が量的金融緩和の縮小を示唆したことで世界的に長期金利が上昇した13年5月に一時1%を付けたものの、その後は1%を付けることなく金利が低下基調となった。

    14年10月には国債の積み増しペースを年80兆円に増やす追加緩和を実施。16年1月に短期金利をマイナスに引き下げる「マイナス金利政策」の導入を決めると、同年2月には長期金利は初めてマイナス圏に低下した。長期金利がマイナスの状態では、国債を発行する政府が金利を受け取りながら借金することができる。金利低下は続き、16年7月には過去最低のマイナス0.3%を付けた。

    下がりすぎた長期金利は金融機関や年金基金の運用環境の悪化という副作用も生んだ。悪影響を緩和するため、日銀は16年9月に長期金利を直接誘導するイールドカーブ・コントロール(YCC)と呼ぶ異例の政策を導入した。YCC下で長期金利は当初、小幅なプラス圏で推移したが、FRBの利下げ路線転換を受けて19年には再び金利低下が進み、19年9月にはマイナス0.295%と過去最低値に迫る場面もあった。

    その後は世界的なインフレ圧力の高まりを受けて日本の長期金利にも上昇圧力が強まった。日銀はYCCの変動幅拡大で長期金利の上昇に対応してきたが、24年3月にマイナス金利政策の解除とYCCの撤廃を決めた。長期金利は23年末の0.6%台から大きく上昇した。