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日本に有利な「国際規格」拡大へ 24年度にも新国家戦略

政府は2024年度にも国際規格づくりに日本が積極的に関わるための新たな国家戦略をまとめる。生物多様性や量子・核融合といった先端分野に照準をあわせ、日本企業が海外展開しやすいようにする。自国に有利なルールづくりでは米欧や中国が先行しており、日本は巻き返しを図る。

国際規格は国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)といった機関が作成する。これらの枠組みで品質管理や互換性確保を目的に製品・部品の標準仕様を定めることなどを標準化と呼ぶ。

企業にとって自社の技術や活動に適合する国際規格が採用されれば、海外も含めた事業展開の後押しになる。

政府は5月内にも国際規格に詳しい産業界や学界の有識者による会議を設ける。各国の状況を把握し、政府の取り組みの方向性を示す役割を担う。政府は会議の検討結果を踏まえ、重点領域や認定機関の体制などの「国家標準戦略」を策定する。

6月ごろに知的財産戦略本部(本部長・岸田文雄首相)が決める「知的財産推進計画2024」で国家標準戦略の検討を明記する。経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)への反映も調整する。

新たにまとめる国家戦略は、新市場の開拓につながる先端分野を中心に国際規格に関わる人材の育成強化に焦点をあてる見通しだ。人材育成プログラムを開く大学や国際機関へ派遣する専門家の数を増やす。

  • >>6822

    各機関のウェブサイトによると、日本の代表的な認証機関の日本品質保証機構(JQA)の人員は1000人ほど。10万人近いスイスのSGS、およそ8万人のフランスのビューローベリタスなどと差がある。

    中国は自国に有利なルールづくりのために、通信の国際規格を定める国連の専門機関事務局に勤める自国の職員を09年から10年間で3倍以上に増やした。

    政府が国際規格への関与を強める背景には、国家戦略をつくり官民あげてビジネスの拡大を狙う諸外国の動きがある。環境・エネルギー分野や経済安全保障などに範囲は拡大し競争は激しさを増している。

    中国は21年に公表した戦略で、25年までに自国の規格と国際規格を85%以上整合させる目標を打ち出した。米国は23年に8の基盤技術分野や6のアプリケーション分野を優先する方針などを示した。

    日本は知財戦略本部が06年に「国際標準総合戦略」を発表したが、最新の国際情勢を踏まえた国家戦略を欠いてきた。結果として新興国も含めた市場の開拓を巡り、通信や半導体といった分野で出遅れが目立つようになった。

    産業用スイッチの業界で、製品の取り付け穴の長さについて議論する国際会議に日本の企業や政府が関心を持たず、国内規格とは異なる米国や欧州案のみが国際規格に採用された。この結果、日本企業の売り上げが減少した例があった。

  • >>6822

    経団連は2月の提言で「明確なビジョンの下、ルール形成の一環として国際標準戦略を策定・実行すべきだ」と産学官の協力を呼びかけた。自民党は提言で「標準化は経営戦略の中核」であると提唱した。

    各省庁も国際規格に関する取り組みを始めた。内閣府は23年度の補正予算で30億円を確保した。経済安保や先端技術といった分野で規格の開発や人材育成などの支援に充てる。

    国土交通省は物流での保冷輸送サービスの標準化を進める。まず日本規格協会(JSA)による衛生管理や温度確認などの規格をつくり、東南アジアなどでの市場展開を見すえて国際規格化を目指す。

    新興企業も参入する。ドローンの離着陸設備などを手がけるブルーイノベーションは世界で初めてドローン物流の離着陸システムに関するISO規格を提案し、23年6月に発行された。ISOの部会で議長を務めて議論をリードした。