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半導体補助金4兆円への疑問 韓国が羨む「日本の財布」

台湾積体電路製造(TSMC)の半導体工場に1兆2000億円、最先端半導体の製造を目指すラピダスに9200億円――。

日本政府による半導体産業への補助金の内容が明らかになる度に、3月まで韓国に駐在していた記者は質問攻めにあった。半導体大手や政府関係者、韓国紙の記者などが大きく3つの疑問を口にする。

「我々もTSMC同様に支援を受けられるのか」

1つ目の疑問については、23年にサムスン電子が横浜市に開設する研究開発拠点に最大200億円の補助金が充てられることが発表されたことで、解消された。韓国での政府支援はインフラ整備や設備投資の税優遇などに限られており、韓国企業に日本政府の巨額支援を羨む声は多い。

「国民は多額の税金投入を許容しているのか」

2つ目の疑問は国民理解の有無だ。なし崩し的に補正予算が組まれる傾向が強く、十分な納得を得られているかは微妙なところ。確かにTSMCの生産拠点を誘致した熊本を中心に九州地域の投資や賃金上昇を見ると経済効果は大きい。それでも日本経済全体への波及効果、半導体産業の再集積には時間がかかり、税金投入の成果を問われ続けることになる。

過去を振り返れば、半導体関連の国家プロジェクトの成功例は少ない。政府系ファンドのINCJ(旧産業革新機構)が構造改革の末に計1兆2550億円の投資収益をあげたルネサスエレクトロニクスなど一部に限られる。2000年代の「MIRAI(みらい)」「あすか」など多くの先端半導体の開発プロジェクトは十分な検証なく、静かに消えていった。

  • >>6619

    「誰がこんな巨額の『財布』を動かしているのか」

    最後の疑問の答えは、自民党半導体戦略推進議員連盟と経済産業省だろう。経産省の所管は商務情報政策局の情報産業課。個人名は伏せるものの、議連会長と所管局長・課長に、半導体産業の重鎮が推進役となって巨額予算が執行されていく構図だ。

    経産省の元高官は「経産官僚は担当期間にどれだけ財務省から予算を引っ張ったかで評価される。これまで異動後の結果責任はほぼ問われることはなかった」と打ち明ける。

    「半導体は経済安全保障上の戦略物資」という政府方針を錦の御旗として、日本の半導体復権プロジェクトは大きく動き出した。21〜23年度までに確保した予算枠は約4兆円で、今後さらに拡大する見通しだ。脱炭素投資に使う「グリーンイノベーション基金」が10年で総額2兆円なのに対し、巨額さが際立つ。

    明確な責任者のいない10年単位のプロジェクトは責任が曖昧になりがちだ。巨額の税金を投じるに値するものだったのか、長期視点で検証を続ける必要がある。韓国で受けた問いはそうした課題を映し出す。