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コーヒー豆高騰、その裏に中国「悪魔のフルーツ」人気

コーヒー豆の価格が高値で推移している。アジアで多く産出するロブスタ種は4月下旬、国際価格が最高値を更新した。産地での天候不良やアジア各国での消費量増加に加えて、東南アジアで栽培する"悪魔の果物"の存在が背景にある。

「豆も卵も値段が上がって大変だよ」。ベトナム・ハノイ市の旧市街に店を構える「カフェ・ザン」のグエン・フオン・ザンさん(41)は嘆く。1946年創業のカフェ・ザンはベトナム名物「エッグコーヒー」の発祥の地で知られる。地元産ロブスタ種の強い苦みと泡立てた卵の甘みで人気だが、材料の価格高騰が経営を圧迫している。

それでも1杯3万5000ドン(約210円)は変えないという。街中に増えた「スターバックス」の半値程度という安さで「(創業者の)祖父の代からの常連客を考えると安易な値上げはできない」とザンさん。特製パンも一緒に勧めたり、豆を店頭販売したりして乗り切ろうとしている。

  • >>6577

    大生産国ベトナムの減産響く

    国際価格指標であるロンドン先物(期近)は4月下旬、ロブスタ種1トンが4500ドルを超えて、最高値を更新した。その後相場は下げに転じたが、昨年末に比べると大幅に高い水準だ。ベトナムはコーヒー豆の生産量が世界2位で、ロブスタ種では世界最大。そんな大生産国のコーヒー事業にも影響を与えかねない事態になっている。

    相場が高騰した理由としてまず挙げられるのが、23年から南米ペルー沖の海面水温が上がる「エルニーニョ現象」による供給量の減少だ。国際コーヒー機関によると、ベトナムの生産量は22年10月〜23年9月が2920万袋(1袋60キログラム)と1年前に比べ9.8%減った。

    ベトナム南部ホーチミン市でコーヒー豆を販売するゴックさんは「暑すぎて水が足りず、栽培がうまくいっていない」と、中部高原のダクノン省にある契約農家の状況を心配している。長引く干ばつの影響で木が枯れ、葉がしおれているという。

    コーヒー豆の取扱高が多い丸紅によると、輸送費や燃料費の上昇などにともなう世界的なインフレで、中南米での生産が多い高級品のアラビカ種から比較的安価なロブスタ種に欧米大手企業が切り替える動きを進めていることも価格上昇に拍車をかけている。

  • >>6577

    アジアの消費拡大も要因

    東南アジアや中国での消費拡大という長期的な構造要因も価格を押し上げる。22年10月〜23年9月のアジア太平洋地域の消費量は世界全体の4分の1を超える4450万袋となり、過去4年間で12%増えた。この期間に世界全体は1%しか伸びておらず、その勢いは際立つ。

    ベトナムでも平日の昼間から、老若男女が歩道に並べた低い椅子に腰掛けてコーヒーカップを片手におしゃべりするのが日常の風景になっている。栽培はフランス統治時代の19世紀に始まったとされるが、本格的に普及し始めたのはベトナム戦争終結から間もない1980年代で、経済発展にともなって消費量も増えてきた。

    東南アジアのコーヒー生産国ではかつて、輸出に適さない低級品を現地で消費する例が多かったが、最近はスターバックスなども増え、質が高い豆の需要も高まっている。キーコーヒーが長年栽培に関わってきたインドネシアでカフェの出店に力を入れるなど、日本企業も現地需要の取り込みを狙う。

    最近取り沙汰されているもう一つの価格上昇の要因が、ベトナムでコーヒーから高級果物のドリアンへの転作が進んでいることだ。東南アジアの特産で、鋭いとげで覆われた独特の形、腐敗臭とも言われる強烈なにおい、クリーム状の果肉の濃厚な甘みなどから「悪魔のフルーツ」「果物の王様」といった異名を持つドリアン。近年は中国で大人気になっている。

  • >>6577

    中国で続くドリアンブーム

    タイが大量に輸出したのに続いて、いまベトナムで栽培と対中輸出のブームが起きている。現地報道などによると、23年には中国へのドリアン輸出は20億ドル(約3000億円)を超え、前の年から5倍以上になった。24年はさらに伸びる見通しだという。

    中国におけるブームの余波でドリアンへの転作が進んだ結果、ベトナムでコーヒー耕地の面積が縮小して供給力が落ち、コーヒーの価格上昇を招いている。

    コーヒーの栽培適地は熱帯に限られる。その上、欧州での森林伐採規制などの動きを受けて新たな栽培地を確保するのは年々困難になっていて、他の作物との競合が強まると供給量を増やすのは易しくない。

    中国経済が低迷するなど変動はあるものの、アジア全体の経済成長は今後も続く見通し。コーヒーやドリアンなどの消費も伸び、相場を押し上げる状況は長期的に続く可能性がある。

    日本では円安の進行も影響する。UCC上島珈琲(神戸市)は家庭用レギュラーコーヒー製品を7月1日出荷分から値上げすると発表した。国際相場の上昇や円安などが理由で、小売店の店頭価格は20〜30%程度上がる見込みだという。アジア人の消費の変化は日本のコーヒー市場にも影響を与えつつある。