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prismhit~~~明日から令和ですね。
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>>6195

ここまでが「古琵琶湖」と総称される。地層に注目する研究者は、いずれも琵琶湖の「祖先」といえる連続した湖だとみている。

堅田湖が生まれたころ、現在の北湖のあたりには高い山々があった。これらが沈降して水をたたえ、琵琶湖の原型ができた。43万年前のことだ。それから北湖を中心に東へも広がり、いまのような姿になった。北湖の島々はかつての山々の名残だ。

このように最初の大山田湖から一貫して、琵琶湖は北上してきた。同志社大学名誉教授の横山卓雄さんはかつて、琵琶湖が移動してきた速度を「年2、3センチメートル」と考えていた。1991年の東京での講演でこう表現したという記録がある。これを誤解し、いまでもこのペースで動いていると信じる滋賀県民は少なくない。

北上してきた理由について里口さんは、断層運動という地殻変動により隆起と沈降が繰り返されたからだと説明する。だが、その背後に何があったのかは明確でない。地表を含めた地殻の下にいくつか存在するプレートの動きが影響しているとも考えられるという。

これからどこに向かうのか。里口さんは予想を避けたが、立命館大学客員教授(地球物理学)の熊谷道夫さんは「北進継続の可能性」を示唆する。

琵琶湖の北方は山岳地帯だが、多くの断層も確認されている。今後の断層運動で岩盤が崩壊すれば、北湖ができる前にあった山々と同じく、沈降しても不思議ではない。熊谷さんは「北に新たな湖ができる形で日本海へと突き抜けるかもしれない」と大胆な見通しを示す。

再び琵琶湖が「散歩」に出るのはまだ先のようだが、足元でも微妙に姿を変えている。西側の断層運動で湖底は沈み続け、土砂が流れ込んでも浅くならない。熊谷さんが国土地理院のデータを分析した結果、東西両岸の距離はこの10年間で5センチメートル縮まった。

熊谷さんによれば、琵琶湖は深くなり、収縮している。将来のかたちをとらえようとするならば、「万年」単位で思いを巡らせる必要がありそうだ。