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トコジラミの相談、首都圏で急増 自治体が注意喚起

刺されると激しいかゆみや赤い発疹などが現れる害虫「トコジラミ」の相談件数が、首都圏で増えている。高い繁殖力が特徴で、インバウンド(訪日外国人)の行き来が活発となり、国内に持ち運ばれたとみられる。繁殖のピークを迎える夏を前に各地の自治体は警戒を強め、ホームページで防除策を公開するなど対策に力を入れる。

3月上旬、JR宇都宮線の列車の乗客がX(旧ツイッター)に投稿した。「今帰りの電車なんですがこれってトコジラミだったりします?!」。短文と共に、車両内の座席にいたとみられる茶色の昆虫の写真を2枚アップ。表示回数は現在までに4000万件を超えるなど、注目を集めた。

投稿者は駅員に報告。JR東日本は車両を特定し、燻煙による殺虫処置を実施した。改めて車内を点検したところ、「トコジラミは確認されなかった」(同社大宮支社)という。投稿写真の虫がトコジラミか否かを断定することは現時点では難しいが、公共空間を含む様々な場所で遭遇するリスクがあることを示唆する一例となった。

害虫駆除の専門業者などでつくる日本ペストコントロール協会(東京・千代田)によると、各地でトコジラミの相談件数が増えている。

  • >>5984

    東京都では2023年の相談件数が350件と、22年(247件)から約100件増えた。神奈川県は216件(22年147件)、埼玉県は47件(同13件)といずれも大きく増加している。かゆみを感じた時点で問い合わせるケースもあり、相談の全てがトコジラミとは限らないが、各地で被害が広がっているとみられる。

    害虫駆除などの事業を展開するシェル商事(東京・中央)は、同社グループ全体のトコジラミ駆除業務の売り上げが2023年に、前年比2倍に増加した。宿泊施設だけでなく「住宅や保育園、オフィス、大学など駆除対象のエリアが拡大してきている事も要因の一つ」(同社)という。被害拡大を防ぐために、早期に発見できるツールを導入する事業者も増加している。

    トコジラミは赤褐色で扁平(へんぺい)状の体を持つ。成虫の体長は5〜8ミリメートルで目視できる。刺されると、かゆみは1〜2週間ほど続き、眠れないほどの症状が出る人もいる。日本でも長く人々を悩ませてきたが、殺虫剤の普及などにより1970年代には沈静化した。

    近年、再び被害がクローズアップされている背景について、日本ペストコントロール協会理事の谷川力氏は「インバウンドの往来が活発となり、荷物などに付着した状態で気づかずに運ばれているのではないか」と指摘する。

    トコジラミは初めて刺された時はかゆくならないが、複数回刺され抗体が形成されると症状を感じるようになる。やっかいなのは刺され続けている人で、谷川氏は「繰り返し刺され続けると、再び無反応に変化していく人もいる」と指摘する。日本でも生活困窮者などで実例がある。無自覚のまま適切な防除措置を取らずにいると、周囲に被害を広げる恐れがある。

  • >>5984

    自治体はこうした事態を防ごうと、情報発信に力を入れる。東京都台東区はトコジラミの防除対策をまとめたパンフレットを家庭用・事業者用の2種類作成し、計2000部配布している。区のホームページでも2月からトコジラミの生態や屋内で潜みやすい場所をイラスト付きで紹介するほか、東京都ペストコントロール協会を相談先として示している。

    台東区に寄せられた相談件数は23年に31件で、3年前の20年(9件)と比べると3倍以上に増えた。浅草など国内外から多くの人が訪れる観光スポットを抱えるだけに危機感は強く、生活衛生課の担当者は「旅館など宿泊事業者を含む区民全般へのトコジラミに関する正確な情報提供に努め、被害の最小化に向けて適切な対応を促していきたい」と話す。

    さいたま市では22年度に1件だった担当課への相談件数が、23年度には10件になった。同市は「サイエンスなび」のホームページでトコジラミ情報を掲載する。横浜市や川崎市、千葉市、東京都練馬区などもホームページ上で注意喚起している。

    トコジラミの不安を感じた時、確認すべきことは何か。人が長い時間を過ごす寝室に潜むことが多く、暗所で活動する。谷川氏は「自宅では就寝前に部屋を一度暗くして、その後寝室の明かりをつけ、シーツの上や枕元を徘徊(はいかい)していないか確認してほしい」と話す。数が増えてくると、血糞(けっぷん)という黒いシミがマットレスの縁やじゅうたん裏、カーテンなどに見られるようになる。

    近年は薬剤への抵抗性が高い「スーパートコジラミ」の存在も指摘される。市販薬では完全に駆除できないことがあり、業者に頼むのが早道となるケースもある。