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prismhit~~~明日から令和ですね。
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三菱重工、経産省の旅客機新構想に踊らず 型式証明の壁

経済産業省は3月末、2035年以降を見据え官民で次世代国産旅客機の開発を進める新戦略を提示した。三菱重工業が撤退した「『三菱スペースジェット(MSJ、旧MRJ)』から得られた知見や経験を生かすには今しかない」と捉える向きもあるが、民間側は冷ややかだ。実現にこぎ着けるには技術力や資金支援だけにとどまらない幅広い環境整備が必要だ。

5月上旬に開かれた三菱重工の決算説明会。3月の経産省の新戦略を受けて、新たな航空機開発への参画について聞かれた泉沢清次社長は「具体的な計画はない」と言葉を濁した。

エアバスは30年

24年3月期は過去最高益、今期も2期連続の更新を見込むなど業績は好調だ。余勢を駆って航空機開発に再び乗り出すのかとの期待も高まったが泉沢社長は「(日英伊で開発する)次期戦闘機も含めて様々なプロジェクトがあり、人員リソース的に非常に厳しい」と冷めた反応に終始した。

「飛行機は飛ばせても、それ以上に安全性を証明するのは格段に難しい」。1978年に初飛行に成功したビジネスジェット機「MU-300」の開発に携わったこともある川井昭陽氏は指摘する。

MSJ失敗の最大の問題は機体の安全性を担保する当局からの型式証明(TC)取得でのつまずきだ。世界の航空機産業では開発現地主義をとり、飛行機を開発する国の当局から認証を取り、世界各国に追認してもらう必要がある。

川井氏は「MU-300」で型式証明を取得した経験を持つ。その後、三菱航空機の社長に抜てきされたが、初飛行を見る前に退任を余儀なくされた。「MU-300」はおりからの不況で事業ごと米企業に売却された。TC取得のノウハウを継承する人材は途絶え、TC取得はままならなかった。

当局との連携不足もあった。三菱重工が配線や装備の位置を変更したため、その後の審査が通らず設計見直しを強いられたケースもあった。審査する国土交通省の千葉英樹航空機安全課長は「認証も開発の一部だということを意識して取り組んでもらうのが理想」と情報共有の重要性を語る。

旅客機開発の難しさは欧州エアバスの歴史を見ればわかる。米ボーイングに追いつこうと1970年に設立されたエアバスはボーイングの納入機数に追いつくまで30年かかった。

  • >>7867

    先行く中ロ

    先行投資が莫大になるなかで、赤字だからといって事業を縮小したり、「航空機の経験を積んでいない担当者を置いたりしては成功はおぼつかない」(川井氏)という。三菱航空機は川井氏を含めて撤退までの間に社長が6人も代わった。三菱重工で火力発電の営業をしていた幹部がトップに送り込まれたこともあった。経産省や国交省の担当者も多くが2〜3年で異動した。

    機体の規模こそ違うが、ホンダジェットのトップを務めた藤野道格氏は約30年、同社の航空機開発でリーダーシップをとってきた。権限を集中させプロジェクト全体を指揮するリーダーの存在の重要性を米ロッキードなどから学んだからだ。TCの取得でもビジネスジェットの最大市場である米国に拠点を置き、米当局と徹底的に対話をしながら詰めていった。

    半導体ではエルピーダ、液晶ではJDIと、経産省が絡んだ「国策」プロジェクトはいずれも結果を残せなかった。MSJでは三菱重工1社に1兆円もの負担がのしかかった。今回は「航空エンジンと同様、機体事業でも国際連携を前提に複数社が集約した体制も視野に入れる」(呉村益生航空機武器宇宙産業課長)と話す。ただ、複数社開発した戦後初の国産旅客機「YS-11」は商業段階で失敗した。

    早稲田大学大学院経営管理研究科の長内厚教授は「寄り合い所帯ゆえに統合力が欠けていた。技術を重視するあまりマーケットの分析もできていなかった」と複数社にまたがるプロジェクト運営の難しさとその問題点を指摘する。

    航空機は膨大な初期投資を補修・整備事業で回収するが、その運営体制も考える必要がある。19年に三菱重工はカナダ・ボンバルディアの小型機「CRJ」事業を5億5000万ドル(約870億円)で買収したが、今は宙に浮いた状態だ。

  • >>7867

    日本がMSJ開発で迷走する間に中国では新型機の開発が一気に進んだ。中国の中国商用飛機(COMAC)はリージョナルジェット「ARJ21」や中型機「C919」を開発した。

    同社の機体は欧米のTCを取得していないため中国国内での運用が主だが、23年にはインドネシアで初の国外商業飛行をした。C919もチベット航空などから受注を得ている。

    ロシアでは戦闘機も作るヤコブレフが「MS-21」を手がける。主翼や尾翼に炭素繊維の複合材を使って軽量化を図るなど、部材開発の分野でも追い上げている。両国とも対立する欧米諸国への輸出は難しそうだが、今後、市場が広がる新興国では日本の先を行く可能性は高い。

    航空機業界での絶対的王者だった米ボーイングは品質不良で新型機の生産がおぼつかない状態が続く。苦境のボーイングと組みながら、TC取得や技術の獲得に乗り出す手もある。悲願の国産旅客機の商用化に半世紀かけて向き合う覚悟があるか。官民の姿勢が問われている。