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prismhit~~~明日から令和ですね。
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寺社拝観料、やまぬ値上げ 文化財保護にもコスト増の波

奈良の東大寺、日光東照宮、平泉の中尊寺。今春、全国の有力寺社で拝観料などが引き上げられた。世間と同様、諸物価や人件費の上昇が直接的な理由だが、文化財保護やオーバーツーリズムをにらんだ対応など、特有の様々な負担も増えている。厳しい台所事情が続く中、持続可能な寺社を目指す取り組みも本格化している。

5月の大型連休明け。先生の話に耳を傾ける小学生グループ、記念撮影をする外国人など、日光東照宮(栃木県日光市)の観光客は新型コロナウイルス禍から順調に回復していた。そんな穏やかな光景が戻ってきても、担当者の顔はいまひとつさえない。「物価高は収まらず24年ぶりの値上げをお願いせざるを得なかった」からだ。4月から一般の拝観料は300円引き上げ高校生以上は1600円となった。

拝観料などの値上げは、ここ4〜5年で一段と広がった。2023年春は金閣寺(京都市)が値上げし、24年春には6年前に値上げしたばかりの東大寺(奈良市)が再び料金を見直した。電気代や燃料費に加え境内の整備に必要な資材価格が上昇したためという。4月には四国八十八カ所霊場会(香川県善通寺市)が御朱印をもらう際に支払う「納経料」を引き上げた。お守りの「初穂料」などを改定する動きも各地で広がっている。

  • >>7143

    人手不足も理由だ。地方では人口が減り、都市部では他の業種との人手の奪い合いで、事務職などの賃金は上昇傾向だ。子供世代が寺社を継がなくなり、神職などの若者のなり手も減った。日光東照宮の担当者も「一人が何役もこなすようになっている。地元では人が集まらなくなり、職員の住居確保のための費用もかさむ」と話す。

    寺社によっては歴史的建造物や文化財を守る役割もある。国宝を含む重要文化財の修理・修繕は、一部は補助金が出るものの自己負担で賄う。ここでも金箔や漆などの材料費が上昇している。「重要文化財の指定は増える一方。手が回らず着手までに時間がかかるようになった」(修理にあたる文化財建造物保存技術協会=東京・荒川)面もある。文化財は観光関係者から見れば貴重な集客資産だが、次世代に引き継ぐべき遺産は、公開すれば傷みやすくなるジレンマもある。

    来場者が増えてくれば防犯、防災対策も強化しなければならない。落書きや液体をかけられる被害や、近隣での火災などがあった東大寺は、値上げの理由の一つに挙げる。高野山のある和歌山県高野町が3月に「入山税」を想定した法定外税導入の検討開始を発表したのは、オーバーツーリズム対策をにらんだ動きだ。「町民が減少する中で駐車場やトイレなどの維持負担が重い」(同町)

    物価高や人件費の上昇は、拝観料収入がない一般の寺社にも等しく押し寄せてくる。「卒塔婆の木材、お守りの材料費なども値上がりしている」(都内の寺院)。信仰が主体の寺社と一口にいっても形態は様々。檀家からの葬儀や法要のお布施が主体の寺、墓地経営を手掛ける寺、神社には祈祷(きとう)料などの収入がある。ただ人口の減少、地縁・血縁の希薄化など、有力寺社といえど安閑としていられない。

  • >>7143

    有力寺社は対策に乗り出している。神田明神(東京・千代田)は18年に境内に文化交流館を開設。ホールや飲食の運営はテナントに委託し神社側と協力する形だ。専門家は「イベントなどによる交流人口ビジネスに移行することは、生き残りのために不可欠なテーマ」(JTB総合研究所の河野まゆ子執行役員)と指摘する。

    築地本願寺(東京・中央)も10年ほど前から抜本的な改革を実施した寺の一つだ。新設したカフェの朝食は開店前から行列が出来るほどの人気メニューとなり、境内に近い銀座には各種講座を扱うサロンも開いた。1日の来場者は10年前と比べほぼ3倍になったという。コロナ禍ではオンラインでの法要なども一挙に進めた。「改革で得た知見を宗派内にも還元していきたい」(東森尚人副宗務長)

    文化庁の宗教統計調査によると全国の寺社の数は16万程度で緩やかな減少傾向が続く。地方では人知れず荒れ果て消えていくケースもある。寺社の運営基盤やそのあり方、考え方は様々とはいえ、コロナ禍や物価高などの逆風を受け「体力的に様々な施策をうてる施設とできない寺社の格差が広がっている」(河野氏)のは間違いない。