ここから本文です
prismhit~~~明日から令和ですね。
投稿一覧に戻る

prismhit~~~明日から令和ですね。の掲示板

Google、AIでDNA構造を予測 がん治療など創薬に革新

米グーグルは8日、生命活動の根幹を担う分子の立体構造などを予測する人工知能(AI)を開発したと発表した。生体内のたんぱく質に加え、DNAやRNA(リボ核酸)など遺伝情報を載せた物質も解析できる。がんをはじめとする病気の解明や、新薬の開発を加速させる可能性がある。

グーグルのAI研究開発部門であるグーグルディープマインドなどが最新の研究開発成果を英科学誌「ネイチャー」で発表した。

ヒトの体内の細胞にはたんぱく質やDNAなど多様な分子が存在する。これらの分子は互いに影響を及ぼしながら複雑に結びつき、生命活動を支えている。その構造や機能を知ることは、病気の原因究明や治療薬の開発において重要な意味を持つ。

グーグルは今回、こうした生体内の分子の構造や相互作用を高精度に予測するAI「アルファフォールド3」を開発した。複数の分子の情報を入力すると、相互にどう作用し、どう組み合わさって立体構造を形成するのかを導き出せるという。

  • >>6598

    開発の過程では、すでに知られている生体内の分子構造のデータをAIに学習させた。X線や顕微鏡で分子構造などを特定する場合は数カ月から数年かかっていたが、AIを用いれば瞬時に予測できる。

    狙うのは創薬への応用だ。グーグルディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)は記者会見で「新薬の発見のプロセスを飛躍的に速くできる」と強調した。

    ヒトの体内では無数のたんぱく質が働いているが、正常に機能しないと病気の原因になることがある。がんなどの治療に使われる医薬品の多くは、病気に関わる特定のたんぱく質に作用することで効果を発揮する。

    グーグルの技術を使えば病気に関わる分子の解明や、その分子に作用する化合物を見つけるプロセスを短縮できる。その後、実際に薬ができあがるまでには効果や安全性を調べる動物実験や臨床試験(治験)などが必要となる。

    2016年に研究が始まったアルファフォールドはもともと、アミノ酸の配列からたんぱく質の立体構造を予測するAIとして開発された。成果はすでに高い評価を受けており、開発を主導したハサビス氏らは米ラスカー賞や米ブレークスルー賞など権威ある賞を立て続けに受賞してきた。ノーベル賞の有力候補とも目されている。

    AI研究におけるグーグルディープマインドの実力は折り紙つきだ。16年に囲碁のトップ級棋士を破ったAI「アルファ碁」の開発などで知られる。ハサビス氏は現在、グーグル全体のAI開発を統括する。

    グーグルディープマインドはアルファフォールド3の開発にあたって、最先端の生成AIの技術を取り入れた。DNAなどを含めて分子が複雑に組み合わさる立体構造を予測できるようになり、病気のメカニズムや薬の作用をより詳しく調べられるとしている。

  • >>6598

    グーグルディープマインドは従来もアルファフォールドの技術を公開して大学などの研究に利用できるようにしてきた。新型の開発によって利便性を高め、より幅広い利用を促す。ハサビス氏は「無料のAIツールとして自由に使用することができる」と述べた。

    製薬会社との連携に向け、グーグル親会社のアルファベットは21年に創薬スタートアップを設立済みだ。24年1月には米イーライ・リリーやスイスのノバルティスとの提携を発表した。アルファフォールド3の活用を含めて協力する。

    AIを用いた創薬は多くの企業や大学がしのぎを削る。たんぱく質の構造予測の研究は米ワシントン大学なども手がける。富士通と理化学研究所が生成AIの活用に乗り出すなど多様なアプローチが登場しており、競争を通じて画期的な技術が生まれるとの期待が高まっている。