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PCの記憶装置SSD、値上がり強まる 1〜3月大口1割高

パソコン(PC)に組み込む記憶装置の値上がり基調が強まってきた。ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)は1〜3月期の大口取引価格が前四半期比で1割高い。上昇は2四半期連続。供給を絞ったメモリーメーカーが採算改善のため要請した値上げを需要家が受け入れた。先高観からSSDの調達を早める動きもある。

SSDはPCやサーバー機器、ゲーム機などの記憶装置としてデータの長期保存に使う。半導体メモリーの一つ、NAND型フラッシュメモリーを主要部材として複数搭載する。大口取引価格は売り手となる国内外のメモリーメーカーと、買い手となるデバイスメーカーなどが四半期ごとに決める。

1〜3月期の大口取引価格は、TLC(トリプル・レベル・セル)256ギガ(ギガは10億)バイト品が1個28.5ドル前後。前四半期比12%高い。容量が大きい512ギガバイト品は10%高の1個53.5ドル前後。いずれも2四半期連続の値上がりとなった。上昇幅は2023年10〜12月期の9%より拡大した。

SSDは21年秋からおよそ2年にわたって値下がりが続いた。新型コロナウイルス禍で高まったPCの「巣ごもり需要」が失速したことなどが背景にある。

市況の低迷を受け、売り手となる大手メモリーメーカーは主要部材であるNAND型の減産を進め、SSDの供給も絞り込んだ。サプライチェーン(供給網)の在庫の余剰感が後退し、23年10〜12月期に値上がりへ転じていた。

大手メモリーメーカーはその後も値上げの方針を示している。エレクトロニクス商社の幹部は「値下がりする前の21年夏ごろと比べればまだ相当な安値水準。メモリーメーカーは引き続き採算を改善する必要がある」と指摘する。

買い手は将来の調達に支障が生じないよう、値上げをおおむね受け入れている。あるPCメーカーの調達担当は「メモリーメーカー各社が赤字の状況なので、値上げは理解せざるをえない」と明かす。売り手の値上げ要請が通り、2四半期連続の値上がりで決まった。

  • >>5805

    記憶装置で競合するハード・ディスク・ドライブ(HDD)も値上がりした。1〜3月期の大口取引価格は、デスクトップPCや監視カメラに使う3.5インチの1テラ(テラは1兆)バイト品が1個49ドル前後。前四半期比3%高い。一部のノートPCなどに使う2.5インチの1テラバイト品は2%高の1個46ドル前後となった。

    ともに上昇は3四半期連続。SSDと同様に、採算の改善に向けたHDDメーカーの値上げ要請が需要家に受け入れられた。

    調査会社テクノ・システム・リサーチ(東京・千代田)によると、23年10〜12月期にPC向けに出荷されたSSDは世界全体で5230万台だった。前四半期比480万台(10.1%)多く、前年同期比では380万台(7.8%)増えた。同社の楠本一博アシスタントディレクターは「需要家が安値のうちに先んじて調達した可能性がある」と話す。

    市場では、24年後半からPC販売が持ち直すとみられている。25年10月に米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」がサポート切れを迎えるため、更新需要が徐々に広がりそうだ。別のエレクトロニクス商社の担当者は「半導体メモリーやSSDは4〜6月期も確実に値上がりするだろう」と話す。