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>>5636

 3月3日、米連邦準備理事会(FRB)は、緊急FOMCを開催して0.50%の緊急利下げ(FF金利誘導目標:1.50-75%⇒1.00-25%)を断行したが、17-18日の定例FOMCでも追加利下げが予想されており、0.25%下げが確率100%、0.50%下げが確率70%程度と予想されている。ハト派のブラード米セントルイス連銀総裁は、追加利下げが決定されるとの市場の想定は間違っている、と牽制している。本日は、8時30分からカプラン米ダラス連銀総裁、10時からカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、10時45分からウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の講演が予定されており、追加利下げ観測に対する見解を見極めることになる。
 追加利下げが示唆された場合はドル売り、否定された場合はドル買いで反応すると思われるが、言及されなかった場合は、今夜発表される米2月雇用統計を控えて動きづらい展開が予想される。
 FRBの0.50%の緊急利下げに関しては、0.25%が新型コロナウイルス対策、0.25%が昨秋同様の流動性への対応策との説もあり、現在の「Q4ではない」と強調されている「量的緩和の派生措置」としての月額600億ドルの財務省短期証券(Tビル)購入が、量的金融緩和第4弾(QE4)に昇格する可能性が警戒されており、今後のFRB高官の発言に要警戒となる。もし、QE4が正式に発動された場合、ドル円は100円割れの可能性が高まることになる。
 米2月雇用統計の調査対象週の2月12日週(2月9-15日)の新規失業保険申請件数は21.9万件、失業保険受給者数は172.4万人だった。2月米ISM製造業の雇用指数は46.9と1月の46.6から改善、非製造業の雇用指数は55.6と1月の53.1から改善、ADP全米雇用報告は前月比+18.3万人と1月の+20.9万人から悪化している。非農業部門雇用者数の市場予想は前月比+17.5万人(最小+14.0万人〜最大+24.9万人)と1月の前月比+22.5万人からの増加幅減少が見込まれている。2月12日週の米国での新型コロナウイルス「COVID-19」感染拡大前の数字であることで、ポジティブサプライズでも相場への影響は限定的だと思われる。

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