ここから本文です
投稿一覧に戻る

株の掲示板

金利上昇でなぜ株安?  安全資産に資金移動

 米国で長期金利の上昇が進み、日米やアジアの株式市場は軒並み大幅安となった。その背景を探った。

 ―26日に日経平均株価が急落した要因は。

 25日に米国で長期金利が一時1.6%台まで上昇し、株式市場ではIT関連株が大きく売られた。東京市場でも半導体関連株などが下落し、日経平均を押し下げた。

 ―なぜ長期金利が上昇すると株が売られるのか。

 金利上昇の背景には、新型コロナウイルスのワクチンが普及して経済が正常化し、景気が回復するとの期待がある。金利の上昇で投資家は、値下がりリスクがある株式よりも、元本が保証される米国債に投資して利息を得た方が安全だと考えるようになり、株から債券に資金が移りやすくなる。

 機関投資家が重視する米株価指数S&P500種の配当利回りは1.5%程度。これを米長期金利が上回り、株を売る動きが加速した。

 ―中長期的に見れば今も金利は低い水準では。

 これまで主要国の株価が軒並み上昇してきたのは、コロナ禍で低迷する景気を下支えするために各中央銀行が金融緩和を強化したことが要因の一つだ。金融緩和で供給された大量の資金が株式市場に流入し株高が進んできた。

 しかし、株式市場に過熱感がくすぶる中で株安の材料となる金利上昇が進み、「利益を確定する売りの引き金になった」(大手証券)と指摘されている。

 ―今後の見通しは。

 米長期金利の上昇が緩やかになれば、株価の動きも落ち着くだろう。JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾氏は「金利の上昇が落ち着けば、業績見通しが改善し株価も上がる相場に戻るだろう」と話している。