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株の掲示板

日経平均3万円…「株価が爆上がり」の日本で、これから半年後に起こること

株価は「半年後の経済を映し出す」

 2月15日、日経平均はおよそ30年半ぶりに3万円台に乗った。これに対し、市中に流れるマネーの量が急増し、それが株価を吊り上げているとの意見もある。

 とはいえ、アメリカの連邦準備理事会や日銀が、すぐに引き締めに移るようには見えず、株高はしばらく続く見込みだ。どこまで行くのか、急激に崩壊する心配はないのかと、普段投資をしない人であっても気になるところだろう。

 他方で、株価は「半年後の経済を映し出す」という格言もある。昨年からの世界経済の落ち込みは、コロナ禍による経済活動の抑制が最大の原因だ。

 昨年末からワクチン接種が世界各国で行われ始めると同時に、既存の薬のなかにも、新型コロナに対して効果の高いものが判明しつつある。感染症全般の話ではあるが、気温が高くなると感染の勢いはだんだん弱まってくる。

 こうした要素を勘案すると、新型コロナ禍は、今年の後半にはかなり波が静かになるだろう。ゆえに、今の株高は今年の後半に景気回復が予想されるという楽観的な見通しを裏付けるものと考えられる。

 たしかに、今の株価には、大規模な金融緩和によって後押しされている側面があるのは間違いない。しかし、将来の見通しがあまりに暗いのなら、これだけ株価が上がるはずがないだろう。年内の力強い回復が期待されているのだ。

 株価を分析することで読み取れる実体経済の動向はせいぜい半年先までであり、それ以上の先を読むのは難しい。

 ここ30年間の日本の株価を米国と比較してみると、'90年代は日本が下がり続けているのに対し、米国は堅調に上昇してきた。'00年代に入ると日本もようやく上昇を始めるが'08年のリーマンショックでともに沈没。

 '10年代は、日米ともに上昇し、特にアベノミクスが本格化した'13年以降は、日本のほうが値上がりスピードが若干速くなっている。為替が大きく変動しなければ、この20年ほどの間は、日本の株価はアメリカとほぼ連動しているのがわかるだろう。

 マクロ経済の観点からすれば、アベノミクスは財政政策と金融政策についてGDPギャップを少なくさせ、失業率を最小化させる効果を発揮した世界標準の政策だった。

 これが、良好なマクロ経済環境をまねき、実体経済を回復させ、'13年以降、株価は2・5倍程度になっている。こうしてみると、'80年代にバブルの呪縛に囚われた日本の株式市場は、'13年以降のアベノミクスで、ようやく脱出の糸口をつかんだともいえる。

 米国の株価は、'00年代初めのITバブルの崩壊、'08年のリーマンショックなどで一時的に落ち込むことはあっても、その後はかならず回復して右肩上がりになっている。

 政府がきちんとしたマクロ経済政策をとれば、長期にわたる落ち込みは避けられるということの証左だ。それは、日本でも同じであろう。政策のミスがなければ、一時的な落ち込みはあっても、バブル経済後のような長期の低迷に陥ることはない。

 この株高が落ち着きを見せたあと、いかに対処するかが腕の見せどころだ。