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日米首脳初顔合わせ 「たたき上げガースー」と「中産階級のジョー」の相性は

菅義偉(すが・よしひで)首相は米ワシントンで16日に会談するバイデン大統領との信頼関係構築を目指す。これまで顔合わせすることがなかった2人だが、共通点は多い。首相が「たたき上げ」を自任する一方で、バイデン氏も「中産階級のジョー」と呼ばれる庶民派だ。両首脳が意気投合すれば、日米間の懸案もスムーズに乗り越えられると日本側は期待する。

  「日米それぞれの関心事項について幅広く議論したい。自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて日米のリーダーシップを世界に示したい」。首相は出発前、官邸で記者団に意気込みを語った。

 首相は先月21日、防衛大学校の卒業式で、就任以降初の訪米についてこう意気込んだ。これまでの電話会談ではお互いを「ジョー」「ヨシ」とファーストネームで呼び合い、訪米準備でもバイデン氏の性格や経歴の分析に余念がなかった。

 両首脳の政治スタイルは似通う。バイデン氏はトランプ前大統領のようにツイッターへの投稿を連発して周囲を振り回すことはなく、首相も実務的な積み上げを重視する。このため、トランプ氏の予測不能なトップ外交に安倍晋三前首相が反射神経で対応したのとは異なる首脳会談となりそうだ。

 菅、バイデン両氏は政治家の名家出身ではない苦労人で、政権の柱に気候変動対策を掲げる。記者会見での言い間違いを揶揄(やゆ)される点まで共通している。派手なパフォーマンスよりも実務的に実績を重視する2人の相性に期待する声は多い。外務省幹部は「バイデン氏は、トランプ氏やオバマ元大統領よりも菅首相に近い」と語る。

 首脳同士の相性は実際に付き合わなければ分からない。鳩山由紀夫元首相とオバマ氏はリベラルな政策を掲げる共通点に周囲の期待は高かったが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で言を左右する鳩山氏にオバマ氏が不満を抱き険悪な関係に陥った。

 首脳間の信頼関係が築ければ、事務レベルで解決できない問題を両首脳の判断で政治決着に持ち込むことが容易になる。米側も思いは同じで、日米外交筋は「双方とも両首脳が『いい出会い』をすることに腐心している」と語る。(杉本康士、田村龍彦)