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相場メモ雑感の掲示板

東京勢にとっては早朝4時からの市場が続いているといったところですが、株式市場関係者からは「最悪の記者会見だった」との声。バイデン米大統領がFOXの記者にインフレについて執拗に質問されて、マイクオンとなっていることに気づかずに吐いた言葉が、昨日のNY市場ではあちらこちらから聞こえてきています。
 
 注目のFOMCでしたが、市場では「織込んでいるよりもハト派的な内容になるのではないか」といった、希望的観測に近い楽観論が何故か直前になって台頭していたようで、昨日は欧州時間から株価が堅調な動きとなりました。
 
 FOMC声明文では、予想通り「3月利上げを示唆」しましたが、CNBCのスティーブリースマンも「あれ?ないよ」って焦っていたように、声明文ではもう一つの焦点となっていた「バランスシートの縮小」のついての言及がありませんでしたが、敢えて、「FRBのバランスシート規模縮小に関する原則」というステートメントを表明。
 
 そこには、利上げ開始後に縮小を始めることや、規模・タイミングについては今後決定することが明記されていました。市場が飛びついたのがその方法論。「再投資額の調整によって行っていく」ことが判明しています。保有債券を直接市場へ売却するといった事態は避けられることが分かったわけで、株式市場は更に買いが強まる展開となりました。
 
 その直後のパウエルFRB議長の会見。「労働市場を脅かすことなく、かなりの利上げ余地があると思っている(there is quite a bit of room to raise interest rates)」との言葉を聞いた市場は、今度は一斉に投げ売り。ダウ平均は510ドルを超える上昇から一転して420ドルを超える急落となっています。引けにかけては買い戻されたものの、アジア時間に入ってからは、再び戻り売りに押されているといったところですね。
 
 ドル円はその間、米長期金利の上昇や実質金利の上昇などを受けて買いが強まる展開となると一時114.79円と19日の高値に面合わせ。ただ、株価の下落につれて114.48円まで下押ししています。
 
 いずれにしても、米金融政策正常化への道はかなりはっきりしてきたといえ、今後の焦点となってくるのは、3月FOMCで利上げを開始してから、「どのようなペースで行っていくのか」という点。2014年に、毎会合ごとの利上げを実施した際、グリーンスパン議長が頻繁に使っていた「measured pace」という言葉が、市場関係者の脳裏をよぎったのも偶然ではなさそうです。