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outlookの掲示板

2022-01-29 03:55
見通し
週間為替展望(ドル/ユーロ)-1月米雇用統計やISM景気指数に注目
Fx-Wave
◆ドル円、1月の米雇用統計やISM製造業・非製造業景気指数に注目
◆オミクロン株の感染拡大状況にも要警戒
◆ユーロドル、ECB理事会やウクライナ情勢に要注意

予想レンジ
ドル円   114.00-117.00円
ユーロドル 1.0900-1.1400ドル

1月31日週の展望
 ドル円は、米国1月の雇用統計やISM製造業・非製造業景気指数を受けて、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で開始予定の利上げ幅やペースを見極めて行く展開が予想される。米ISM製造業・非製造業景気指数で景況感の改善や物価上昇、雇用統計で雇用情勢の改善や賃金上昇の加速が確認された場合、パウエルFRB議長が会見で否定しなかった毎回のFOMC会合(3、5、6、7、9、11、12月)での利上げの可能性が高まることになる。すなわち、0.25%x7=1.75%の利上げ観測が高まることになる。

 さらに、パウエルFRB議長は、「バランスシートの縮小が前回より早期で急速となる可能性」に言及しており、雇用情勢や物価情勢次第では、5-7月のFOMCで、前回の最大上限である500億ドルを上回る量的金融引締政策(QT)着手の可能性が高まることにもなりそうだ。また、原油価格の上昇基調や日米の金融政策の乖離もドル円の買い材料となるだろう。

 一方、ドル円の売り材料としては、マンチン米上院議員の反対で採決が先送りされている「気候変動・社会保障関連歳出法案」に対する不透明感、ウクライナ情勢や台湾海峡を巡る米国とロシア・中国との対立激化への警戒感が高いままであることが挙げられる。更には、FOMC声明でリスク要因として言及されていた新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」感染拡大への警戒感も挙げられる。また、国内では「まん延防止等重点措置」の適用が拡大されつつあることで、日本の景気減速への懸念が強まりつつあることも意識しておきたい。

 ユーロドルは軟調推移か。2月3日に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会では、3月に終了予定のパンデミック緊急資産購入プログラム(PEPP)と資産買入プログラム(APP)の増額が確認される見込みとなっている。注目ポイントは、天然ガスなどのエネルギー価格の上昇を受けたインフレ高進に対する金融政策正常化に関する協議となる。
また、ウクライナを巡り、北大西洋条約機構(NATO)とロシアとの関係が緊迫化しつつあることはユーロ売り要因。欧州はロシアから天然ガスの供給を受けており、ロシアによるウクライナ侵攻という有事への対応が、米国と足並みが揃わない可能性にも警戒しておきたい。さらに、欧州での「オミクロン株」感染拡大を受けた行動規制などにも引き続き注意が必要だろう。

1月24日週の回顧
 ドル円は、113.47円から115円台半ばまで上昇した。FOMCでは、声明文で3月のテーパリング終了と利上げ開始が示唆されたほか、「FRBのバランスシート規模縮小に関する原則」が公表され、バランスシートの縮小が利上げ開始後に着手されることが表明された。米10年債利回りは1.87%台まで上昇。米10-12月期GDPが前期比年率+6.9%だったこともドル買い要因となった。ユーロドルは、ウクライナ情勢への警戒感やFOMCでの3月利上げ開始示唆を受けて、1.1357ドルから1.1132ドルまで下落した。ユーロ円は128.25円から129.24円のレンジ幅で取引された。