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outlookの掲示板

2022-01-22 04:23
見通し
週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、BOCの利上げ思惑も浮上

◆ポンドは底堅いか、英12月雇用・物価データは2月追加利上げを支援
◆来週のBOC会合、一部では利上げ開始との思惑が浮上
◆加ドル、原油高が引き続きサポートに

予想レンジ
ポンド円 153.00-158.00円
加ドル円 89.50-93.50円

1月24日週の展望
 今週発表の英雇用・物価データはイングランド銀行(BOE)の追加利上げを後押しする結果となり、ポンドは底堅い動きが見込まれるも、市場は2月会合での追加利上げをほぼ織り込んでおり、上値余地は限られそうだ。

 英国の雇用者数は12月に前月比18.4万人増と過去最大の伸びを記録した。また、求人数も記録を更新し、9-11月の失業率(ILO方式)は2020年6月以来の低水準となる4.1%に改善。活況な雇用状況を示す結果となった。オミクロン株の感染が急拡大したが、労働市場への影響は軽微だったことが示された。名目ベースの賃金伸び率はパンデミック前の2-3%を大幅に上回っているが、賃金の伸びは物価の大幅上昇が打ち消している。また、12月の消費者物価指数(CPI)は前年比+5.4%と30年ぶりの大幅上昇となった。ベイリーBOE総裁は「インフレ見通しがさらに悪化している公算が大きい」と述べ、「賃金上昇圧力は深刻」との見解を示した。短期金融市場は2月の利上げをほぼ完全に織り込んでいる。来週は1月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値の発表が予定されている。

 加ドルはカナダ中銀(BOC)政策会合に注目。来週の会合では政策金利を0.25%、毎週の国債買い入れ額を20億加ドルに据え置く予想だが、加12月消費者物価指数(CPI)の結果を受けて一部ではこの会合で利上げを開始するとの思惑も浮上している。12月CPIは前年比+4.8%と30年ぶりの高い伸びを記録し、9カ月連続でBOCが設定するインフレ目標レンジの1-3%を上回った。中銀が景気の伸び悩み度合いを判断するのに最適と見なすCPIコロンは+2.1%と2012年2月以来の高い水準となった。これまでBOCは早ければ4月会合で利上げに着手するとのフォワードガイダンスを示し、市場では3月会合での利上げを織り込む動きがみられた。BOCが17日に公表した調査では、国内企業が人材不足感や賃金圧力が強まっているとの見方を示していることが明らかになった。また、堅調な需要と供給上のボトルネックが相まって、今後1年間は価格上昇圧力がかかるとの見通しが示された。

 原油相場の堅調な動きは引き続き加ドルの支えとなる。今週のNY原油先物は約7年ぶりの高い水準まで上昇しているが、石油輸出国機構(OPEC)は世界の中央銀行が金融政策を引き締めるとしても原油相場の強さは続くとの見方を示した。オミクロン株の影響は軽度で短期的との見方は変わらず、世界経済の回復による需要増加を支えに原油相場は堅調な動きが続きそうだ。

1月17日週の回顧
 先週のポンドはやや神経質な動きも、ドルの調整売りが一段落したこともあり、方向感は限られたが、週末にかけては株価下落を受けたリスクオフから売りに押された。ポンドドルは1.36ドルを挟んだ動きも、ポンド円は154円台まで下押しした。強い英12月雇用・物価データへの反応は限定的だった。原油高や加CPIを支えに加ドルは底堅い動きも、ドル/加ドルは1.24加ドル半ば、加ドル円は92円近辺で加ドル高が一服している。