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outlookの掲示板

2022-01-22 04:15
見通し
週間為替展望(豪ドル/ZAR)-南ア、SARB再利上げの可能性も

◆豪ドル、世界的なインフレ高進の中でCPIに要注目
◆豪州の一部州が国境再開延期を発表、他地域への影響が出た場合は豪ドルの重しに
◆ZAR、SARBのMPCで利上げを行うかに注目

予想レンジ
豪ドル円 81.00-86.00円
南ア・ランド円 7.30-7.80円

1月24日週の展望
 豪ドルは堅調地合いを維持できるか。来週最大の注目となるのが、25日発表予定の10-12月期消費者物価指数(CPI)。今週発表された他国のCPIは、英国が1992年以来、カナダは1991年以来となる水準まで上昇した。豪州も同様にインフレ高進の可能性があり、豪金利上昇による豪ドル買いの可能性もあるだろう。特に米国の利上げは市場が織り込み、本邦は依然として低金利を維持する可能性が高いことで、対ドルと対円で豪ドルは買われやすい。これまで豪準備銀行(RBA)は「インフレ率は上昇しているが、根本的には低いまま」「利上げの条件が整うにはしばらく時間がかかり、理事会は辛抱強くいる」という姿勢を取っているが、これまでも方針を急転換することが多く、インフレ高進となった場合は、今後の政策の変更が見られるかもしれない。豪州大手金融機関は、今週の雇用統計が好結果だったことを受けて、利上げ予想を来年春から今年夏に前倒ししている。CPIの結果次第で更なる利上げ前倒し予想が高まるかに注目したい。

 経済指標以外では、西オーストラリア州の首相が、国が予定している2月5日からの国境開放について、「オミクロン株の影響が大きいことを理由に延期する」と発表していることに注目。同州は豪州国土の3分の1を占めるものの、経済的な影響は大きくはない。ただし、この流れがビクトリア州やニュー・サウスウェールズ州などにも影響を及ぼす場合には警戒したい。

 なお、隣国のニュージーランドからも、27日に10‐12月期のCPIが発表される。NZドルの動きが豪ドルにも影響を与える可能性があり、結果には注目が集まるだろう。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調に推移か。今週発表された12月CPIは、市場予想を上回り、2017年3月に+6.1%まで上昇して以来の高水準となる+5.9%となった。食品やノンアルコール飲料は+5.5%上昇し、輸送価格は燃料価格の高止まりで+16.8%と急上昇したことが上振れの主な要因。1月に入り原油価格が引き続き上がっていることを考えると、1月CPIも更に上昇する可能性が高い。すでに、昨年5月から連続で南ア準備銀行(SARB)の目標中心値(3-6%バンドの間の4.5%)を上回っており、27日に行われる金融政策委員会(MPC)での利上げ期待が高まっている。ZARを支える要因になるだろう。なお、27日には12月の生産者物価指数(PPI)も発表予定。

1月17日週の回顧
 豪ドルは、注目された12月の豪雇用統計で失業率は2008年以来となる4.2%まで低下したことを受けて買いが入った。また、中国人民銀行が最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)の引き下げを決定したことも支えとなった。もっとも、米株が弱含むと、リスクオフに敏感な豪ドルは徐々に上げ幅を縮めた。ZARは対ドル、対円ともに昨年11月上旬以来の水準まで上昇。12月の南アCPIが市場予想を上回ったほかSARBの目標上限に近づいたことから、利上げ期待が台頭。買い戻しが優勢となった。また、南アが世界最大の産出量を誇るプラチナ価格が、昨年11月以来の水準まで上昇したことも支えとなった。