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海外勢、根強い国債金利の上昇期待 日銀と再攻防も

日本国債の利回りが低下(債券価格は上昇)する中、利回りの再上昇にかけている海外投資家は想定以上に多いようだ。日本のインフレ率が2%を超えた状態が続くなか、日銀が金融緩和政策の修正を迫られるとの思惑は根強く残っている。

「日本国内はインフレが続く。今年中には日銀は政策の修正を迫られるはずだ」――。こう話すのは英ブルーベイ・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)のマーク・ダウディング氏だ。

日銀が10日発表した7月の企業物価指数は8.6%上昇と、海外同様、国内でも物価上昇の圧力は高い。足元の物価高はエネルギー価格の高騰に加え、円安の影響が大きい。日銀に物価抑制への要求が強まることで、金融緩和政策が見直され、金利が再び上昇に転じると想定。日本国債売りを継続しているという。

英運用会社リーガル・アンド・ジェネラルのインフレ・金利ストラテジスト、クリス・ジェフリー氏は「世界的な高インフレの中でも日本国債の利回り上昇幅は他国に比べて非常に小さい」と指摘する。米国の長期金利は21年末比で1%以上上昇しているにもかかわらず、日本国債は0.1%しか上がっていない点に着目。ブルーベイと同様、金利の上昇圧力は引き続き強いと考え、日本国債のポジションを減らしている。

5月末から国債先物をショート(売り持ち)していた米シビラキャピタルも「(拡大した日米の長期金利差は)もう少し収束する」(ロレンツォ・ディ・マティアCIO)として、先物売りを続けている。

財務省が8日発表した7月の対外・対内証券売買契約によると、海外勢は国内中長期債を5兆581億円買い越した。景気後退懸念によって、日本を含めて世界的な金利低下が想定より早いペースで進んだためで、統計上、6月の4兆円分の売り越しは全額回収された計算になる。

「(日銀が政策変更をするという)確信は薄れてきている」(英資産運用大手Abrdn《旧スタンダード・ライフ・アバディーン》のインベストメント・ディレクター、ジェームズ・エイシー氏)「黒田東彦・日銀総裁の政策維持への確固たるコミットメント(約束)を感じ、修正の時期を予測できなくなった」(米ブリークリー・アドバイザリー・グループのピーター・ブックバーCIO)など、日本国債を買い戻した投資家は多い。

ただ、7月の海外勢の中長期債の売却額自体は9兆3000億円と前年同月から比べると1割増えるなど、売り圧力は根強く残る。消費者物価上昇率が2%を上回る状況が続けば日銀への圧力が増し、国債の買い戻しを迫られた海外投資家が再び売りに回る展開も想定される。