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ブロックチェーン未来図の掲示板


<DeNAが新ゲームにNEMのmosaicを利用しようとしてる>

 

いつもの如く、仕事絡みで「特許」について調べる用事がございました。

日頃は国交省や国税庁のページばっかり見てますが、今日は珍しく特許情報をあさりまくっていたんです。

そこでふと「あ、仮想通貨関連で特許取得してるサービスってあるのかな」と疑問になり、下記のサイトで「NEM」と打ってみたところ、なんと7千件以上ヒット。

 

J-PlatPat

 

ただこれは、申請内容の文書のどこかに「NEM」という文字列が含まれているだけのようで、続いて「NEM」AND「ブロックチェーン」で検索したところ、なんと「株式会社ディー・エヌ・エー」が出願人でヒット。

ヒットしたのはこの1件だけでした。

 

早速、中身を見てみると、何やら見慣れない用語がたくさん。

そして、私が最も不得意とする細かくてやたら遠回しな分かりづらい長~い文章が…。

しかし探求心は止まらず、中身をゆっくり読み進めていくと、恐らく以下のようなことについて特許を出願したようだということが分かりました。

 

1.以下の機能を備えた「取引システム」

・AというユーザーとBというユーザーの間での所有するアイテムの価格を決定する手段

・BがAに対価を支払うことで、Aが持つアイテムの所有権がBに移る手段

・所有権の移転が行われた履歴をデータベースに記憶させる手段

2.データベース上のアイテムと同じアイテムを所有するユーザー数を参照しながら、その需要に応じて「ネットワーク上、実社会でのアイテムの価値を決めるシステム」

 

要は、何らかのゲーム内でアイテムの取引をするためのシステムだぜということを言っているようです。

物凄く分かりやすく説明しますと…

 

Aさんは「炎の剣」というアイテムを持っていて、Bさんは「氷の剣」というアイテムを買いたいと思っているとします。

この2つのニーズを叶えるシステム(マッチングかな?)であることはもちろん、アイテムの価値はユーザーの所有数や取引数などに応じて変更される仕組みや現実世界においてアイテムを仮想通貨や金銭と交換したり、何らかのグッズと交換できるという仕組みということです。

 

上記の仕組みをDeNAは特許出願していて、既に特許登録済みとなっています。

 

<NEMが出てくるポイント>

 

上記の出願内容の後は「具体的にはこんなプログラムを組むよ」ということが書かれています。

判例情報のように長~く書かれているため、ジックリ読む気は起きませんが、理解できる範囲で読み進めていくと気になる一文があります。

 

「対価の支払いは、ビットコインやイーサリアム、NEMなどで行えばよい」

 

おお!

なんかNEMが出てきた!

ただ、その文の続きとして「対価の支払い方法は限定されない」とも書いてあるので、あくまで仮想通貨を決済手段としてますという範囲に留まるようだ。

 

しかし、またNEMの名前が出てきます。

 

「尚、(取引される)アイテムはNEMのmosaicを用いて発行することができる。これでアイテムを仮想通貨に変換することも可能だし、流通量の管理や手数料の徴収も簡単になる。」

 

上記同様、文章の続きに「NEM以外でも良い」とはありますが、具体的にNEMを単独で取り上げていることから、端からNEMの活用を想定しているのだろうということが分かります。

 

<僕たちのNEMが安易に使えなくなる!?>

 

さて、上記の事実について私もザっとネット検索してみたんですが、DeNAですら公式に発表していない様子。

なんでだ?

確かに、アイテムの取引なんて今までのゲームにもあったんだろうけど、仮想通貨を取り入れる国産ゲームって希少じゃないのか?

 

そんな話はさておき、上記をお読みいただいて「NEMのmosaicに特許取られちゃったら自由に使えなくなるの?」なんて思われるかもしれませんが、それはなさそうです。

今回の特許出願は「アイテム取引システム及びアイテム取引プログラム」ということで、アイテムの取引自体の仕組みについて特許が出されたもの。

NEM云々はあまり特許と絡んできていません。

 

とはいえ、私も特許について詳しくないので何とも言えませんが、もし今後「NEMを利用した『自動相続システム』の特許取得!」とか「NEMのアポスティーユ機能による『言った言わない問題解決システム』の特許取得!」なんてことが起きた時に、NEMに限らず、ブロックチェーンやスマートコントラクトの利用に制限はかかるんでしょうかね?