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私と経済の掲示板

21年世界成長率5.6%、OECD予測 9月から下方修正

経済協力開発機構(OECD)は1日、世界の実質国内総生産(GDP)成長率が2021年は5.6%になるとの見通しを公表した。新型コロナウイルスからの回復は進んでいるものの地域や産業によっては伸び悩みも見られ、回復は「不均衡になっている」と分析した。ワクチン接種が進まない地域が強いウイルスの発生源になるリスクも強調した。

9月時点の世界経済の成長率は5.7%だった。12月時点の予測で0.1ポイント下方修正した。

国・地域別の21年の成長率をみると、米国は6.0%から5.6%に0.4ポイント下方修正した。ユーロ圏は5.3%から5.2%に、日本は2.5%から1.8%に見直した。22年の世界経済の成長率は4.5%に据え置いた。

世界各国が新型コロナの感染拡大にうまく対応していること、財政・金融政策も22年に向けた景気の支援材料となることから、経済活動の回復が続くとの見通しを基本シナリオに据えた。他方で「ワクチン接種率の低い低所得国や、人との接触が多い産業の企業や雇用は(回復から)取り残されるリスクを抱えている」とした。

供給網の混乱や原材料コストの上昇などにより、多くの国でインフレ圧力が生じていると指摘したほか「雇用や労働時間がまだ完全に回復していないにもかかわらず、労働力不足が表れている」と分析した。

今後、需要に合わせて生産能力が拡大し多くの人々が労働力として復帰すると見込み、供給制約は22~23年に徐々に解消していくとした。消費者物価上昇率はOECD全体では21年末に5%近くに達するものの、22年末には3.5%程度、23年には3%程度まで緩和すると予測した。

  • >>25317

    世界経済の大きなリスクとして新型コロナの変異型を指摘した。既存のワクチンの効果が低下した場合「成長見通しに打撃を与える」と指摘した。不動産セクターや電力供給の問題を背景にした中国経済の成長低迷も課題に挙げた。

    政策上の最優先事項としてコロナ対策を挙げ、「ブースター接種も含め、世界中でできる限り迅速にワクチンを生産・配備すること」とした。将来の見通しが不透明で労働市場の回復に時間がかかる中、財政・金融政策での支援が引き続き必要だとも主張した。

    日本経済の分析では、急速に進んだワクチン接種や他国よりも高い接種率を評価した。他方、資源高が消費者物価に反映されず「企業の収益性や賃金の伸びに悪影響を及ぼしている」と指摘した。