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本日のドル円市場
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本日のドル円市場の掲示板

 5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、2月米非農業部門雇用者数が前月比37.9万人増加し、失業率が6.2%へ低下したことを受けて、米10年物国債利回りが1.6238%前後まで上昇したことで、108.64円まで続伸した。ユーロドルは1.1894ドルまで続落した。ユーロ円は、ドル円の上昇129.58円まで上昇後、ユーロドルの下落で128.85円まで反落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米2月雇用統計の改善を受けたNYダウ上昇によるリスク選好の円売りと米10年債利回りの上昇を受けたドル買いで、底堅い展開が予想される。

 バイデン米大統領が最優先する1兆9000億ドル規模の追加経済対策法案「米国救済計画法」は、2月27日に下院で賛成219(※2名の民主党議員が反対)対反対212で可決され、3月6日に上院で50対49(※共和党議員1名が身内の葬儀参列で棄権)で採決され、明日9日に下院で修正案が採決された後、バイデン米大統領の署名によって成立することになる。
 修正された点は、約950万人が対象となる失業給付の上乗せ額が週400ドルから300ドルに減額されたこと、最低賃金の現在の時給7.25ドルから15ドルへの引き上げが除かれたこととなる。
 3月18-19日の日銀金融政策決定会合での金融政策の点検では、誘導目標である10年国債金利の変動幅(ゼロ±0.2%)の拡大が警戒されていたが、5日に黒田日銀総裁が「長期金利の変動幅を拡大する必要があるとは考えていない」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大で経済への下押し圧力が続く中で、イールドカーブを低位に安定させる重要性を強調したことで、円売りが加速している。
 ドル円が110円台に定着するためには、日米10年債利回り差が2.4%以上に拡大することが必要であり、日本国債10年物利回りの上限が0.1%程度ならば、米10年債利回りは2.5%程度まで上昇する必要がある。また、1980年代からの米10年債利回りとFF金利誘導目標の平均乖離率は1.4%程度なので、ゼロ金利政策が2023年末まで継続するのならば、米10年債利回りは1.4%台で上げ渋ることになる。16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、現状の長期債利回りの上昇に警戒感を示していないFOMCメンバーによる、テーパリング(資産購入の段階的縮小)時期の協議に要注目となる。
 ドル円の注文状況は、上値には、108.50円に11日のNYカットオプション、108.60-70円に断続的にドル売りオーダー、108.80円と109.00円にもドル売りオーダーが控えている。下値には、108.00円、107.80円、107.50円にドル買いオーダーが控えている。