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4563-アンジェス記事ストック
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>>22395

(続き)
 期末の現金及び預金残高 41 億円に対して、2024 年 12 月期の営業損失が 85 億円の見込みとなっており、資金繰りが厳しくなっているが、営業損失のうち約 30 億円はキャッシュアウトを伴わないのれん償却額であり、キャッシュアウトだけで見ると概算で 55 億円となる。それでも手元キャッシュが不足する状況となるが、同社では新たに第三者割当による転換社債型新株予約権付社債(転換価額修正状況付、当初転換価額 65.7 円、下限転換価額 36.5 円)及び新株予約権(行使価額修正条項付、当初行使価額 65.7 円、下限行使価額 36.5 円)を発行することで、当面の事業活動資金を調達していく方針だ。新株予約権付社債は第 1 回目を 2024 年 4 月 5 日に発行し 1,300 百万円を調達するほか、第 2 回を同年 10 月 7 日に同額分を発行する予定だ。また、新株予約権は同年 4 月 5 日に 330,301 個割り当て、当初行使価額ですべて行使された場合、1,591 百万円を調達できることになる。なお、潜在株式数についてはこれら新株予約権付社債及び新株予約権がすべて転換、行使された場合、最大で約 1 億株となる。
 黒字化の時期に関しては、開発パイプラインの進捗状況次第となる。特に、潜在市場規模の大きい米国で HGF遺伝子治療用製品の開発に成功した場合には、数十億円規模のマイルストーン収入(既に受領した契約一時金含む)が得られる見通しであるだけに、2024 年 5 月頃に発表される後期第 2 相臨床試験の結果が要注目となる。
慢性椎間板性腰痛症を対象とした NF- κ B デコイオリゴ DNA の国内第 2 相臨床試験の結果は 2026 年頃に判明する見込みで、その内容次第で塩野義製薬への導出の可能性も高まると思われる。希少遺伝性疾患の検査受託サービスについては規模が小さいものの、受託先並びに検査領域の拡大によって 2024 年 12 月期以降は収益貢
献する見通しだ。Emendo については今回、事業構造改革を実施し、固定負担の少ない知識集約型の研究開発体制に移行することで損失額を最小限に抑えながら、収益化を目指すことになる。早期に POC を取得して IPOにより資金を独自で調達できるようになれば、同社の財務負担の軽減にもつながるだけに、今後の開発の進展に期待したい。弊社では、これらの取り組みが順調に進めば 2020 年代後半には連結業績も黒字化する可能性があると見ている。
(終わり)