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アルケゴスで沈黙守ったモルガンS、失敗に輪を掛けた-メイヨー氏
早い段階で情報開示せず失敗に輪を掛ける結果になったとメイヨー氏

好調な四半期の途中で損失を発表する必要を感じなかったとCEO
米投資銀行モルガン・スタンレーは、ビル・フアン氏のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントのポジション破綻に伴う10億ドル(約1087億円)近い損失を長く黙っていた。1-3月(第1四半期)の記録的な業績に対するどよめきの声も、そのためにかき消された。

  アルケゴスのケースは、過去20年余りで最も驚くべきファンドの破綻の一つに数えられるが、他の金融機関が関連損失をより早い段階で集計する中で、モルガン・スタンレーは1-3月の決算発表まで損失を公表しなかった。

  ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は、清算処理について自行の対応に満足していると述べ、過去最高の純収入を記録した四半期の途中で損失を発表せざるを得ないとは感じなかったと説明した。

  ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのアナリスト、マイケル・メイヨー氏はインタビューで、「これは弱気市場なら重大になるのではないか。それが強気市場か弱気市場かで重大性がどう定義されているか分からない」と発言。「アルケゴスを巡る出来事は決算発表前の時期にちまたで話題になっていた。投資家は知りたがっていたはずだ」と語った。

  モルガン・スタンレーがより早い段階で情報開示せず、オンライン決算報告でも過ちを真剣に受け止めていないように見えたことは、アルケゴス関連の9億1100万ドルの損失という失敗に輪を掛ける結果になったとメイヨー氏は指摘した。

モルガンS、1-3月にアルケゴス関連で9億1100万ドルの損失

  モルガン・スタンレーの株価は先週、好調な決算にもかかわらず週間ベースで2.6%安と、主要米銀で最も大幅な下落率となった。同行の担当者は、コメントを控えている。

  メイヨー氏は、JPモルガン・チェースで「ロンドンの鯨」と呼ばれた元トレーダーがデリバティブ(金融派生商品)投資の失敗で巨額損失を出した過去の事例に言及し、「 ジェイミー・ダイモン氏はわれわれの世代のトップCEOの1人だが、銀行全体の利益に照らせば大きくないという理由で、ロンドンの鯨の損失を『ティーポットの中の嵐』と弁解する重大な過ちを犯した」と振り返った。

  その上で「ジェームズ・ゴーマン氏は、重大に思われるにもかかわらず、銀行全体の利益に照らして損失を真剣に受け止めないように見えるもう1人の有能なCEOということになる」と主張した。  

原題:Mike Mayo Blasts Morgan Stanley for Secrecy Over Archegos Hit(抜粋)

(JPモルガンの過去の損失への言及を追加して更新します)