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ちょっとハリハリ。の掲示板

>>29

米中の技術競争にも巻き込まれる
新工場の敷地面積は16万平方メートル、サッカー場22個分に相当する。そしてこの工場を運営するTSMCもまた、世界の半導体製造市場を支配する巨大企業だ。

これまでは知名度も低く、話題に上ることは少なかったが、最先端技術への巨額の投資と市場での影響力の増大が、この台湾企業を世界の表舞台へ引きずり出そうとしている。

世界規模で起きている半導体の不足は、日本や欧米諸国の自動車生産にブレーキをかけ、一部の企業を生産停止に追いやった。多くの国では、政治家が半導体製造の国内回帰を声高に主張し始めている。こうした状況の中で、にわかに関心を集めているのが世界の半導体製造市場を制する台湾のTSMCだ。

中国が長年、台湾侵攻をちらつかせていることからもわかるとおり、台湾は東アジア地域における米中の軍事対立の中心にあった。最近はこの2つの大国の技術競争にも巻き込まれている。

中国企業はTSMCと同等の製造能力を手に入れたがっているが、今のところ成功していない。米国企業も苦戦している。インテルは、同社のドル箱であるプロセッサの製造の一部を台湾企業であるTSMCに委託する予定だ。米国の国防総省は、兵器製造を外国企業に依存するリスクを回避するため、最先端チップの国産強化に投資するよう米国政府に静かに圧力をかけている。

こうしてTSMCは世間的な知名度の低さにもかかわらず、おそらくは世界で最も重要な企業となった。