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書き込み禁止。独言。
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日本に投資する準備を進めている。イランの政府系ファンドの1つ、「イラン海外投資会社(IFIC)」で運用を担当する、バヒド・シャリフ投資マネジャーはこう明かす
 IFICの資産規模は約50億ドル(約5500億円)。これまで欧州や中東・アフリカ地域の金融や資源関連を中心に投資してきたが、イラン国内は長期にわたる制裁などでインターネット整備が遅れている。大気汚染も深刻だ。

「イランはエネルギーを浪費している」と指摘。ハイテク分野などで独自技術を持つ日本企業に投資して運用益を得るだけでなく、国内の産業振興につながる技術やノウハウを吸収したいとの意図ものぞかせる。日本のヘルスケア銘柄も有望候補だ。

 トランプ米大統領の対中東政策に不透明感はあるものの、「日本とイランは原油の売買をはじめ、長く良好な関係を築いている」と、日本への投資に強い意欲を見せるシャリフ氏。すでに日本の大手証券会社と交渉に入っており、近く投資先を選ぶ予定だ。


 IFICだけでない。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎氏は3月上旬、東南アジアの政府系ファンド幹部を訪問。「日本企業への関心は強く、投資機会を探っている」と感じた。別の外資系運用会社の担当者は「2月以降、欧州の政府系ファンドが日本株運用の割合を増やしている」と言い、最近はアジア系からも問い合わせがあるという。

 世界の政府系ファンドの運用資産は拡大が続く。米調査会社のプレキンによると、2017年3月時点の運用資産額は合計で6兆5900億ドル(約720兆円)と09年に比べ倍増した。17年の投資先は「上場企業の株式」が79%と不動産やインフラを抑えて最多だ。

 世界的な金利低下を受け株式に資金を振り向けようとする政府系ファンドは多い。「日本市場は流動性が高く、一定規模を投資する政府系ファンドにとって好都合」(SMBC日興証券の太田千尋氏)と映る。TOPIXコア30構成銘柄といった大型銘柄は好まれやすい。ファナックやキーエンス、信越化学工業などは直近の日経平均よりパフォーマンスが高い。

 新興国を中心に政府系ファンドの運用規模は今後も拡大しそうだ。韓国やベトナム、ブラジル、トルコなども政府系ファンドを立ち上げ、多様化が進む。いったん投資すると、長期で腰を据えて投資する傾向が強いのが政府系ファンドだ。膠着感の強い日本市場にとって、貴重な下支え役だ