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為替とコモディティやその他雑談をしましょうの掲示板

 海外市場でドル円は、欧州中盤に米製薬大手のモデルナが新型コロナウイルスのワクチンの最終治験で94.5%の有効性を得たと発表するとダウ先物が急伸。クロス円の上昇とともに一時105.13円まで買い上げられた。ただ、米10年債利回りが上昇幅を縮めたことも嫌気され104.50円近辺まで押し戻された。
 ユーロドルは、ユーロ円が一転下落するにつれて1.1814ドルまで下げた。もっとも、米株高を受けて下値は堅く、引けにかけては1.1850ドル台まで持ち直した。

 本日のドル円は上値が重いか。株式市場の上昇にも円安に傾きにくくなっただけでなく、新型コロナウイルスのワクチン開発進展で起きるバブルもすでに弾けやすくなっている。昨日のドル円の上昇も一時的なものだったことを考えると、本日の上値は限られるか。
 ドル円の買い材料としては米政権移行が進むことか。現時点ではトランプ米大統領が敗戦を認める兆候はないが、昨日は政権内でオブライエン大統領補佐官がバイデン氏の勝利を認めている。強硬なトランプ氏であるため、逆にオブライエン氏が解雇される可能性もあるが、外堀が徐々に埋まってきた場合はトランプ氏も渋々敗北を認めるかもしれない。
 政権の移行が進むことは米国の政治にとっては明るい材料だが、感謝祭頃にはバイデン政権の主要閣僚指名が判明する可能性があり、財務長官をはじめ指名されるメンバーにより為替市場は神経質に動くかもしれない。バイデン氏は、財務長官には今まで男性が務めていたことから女性のブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事が有力としていたが、週末にはイエレン前FRB議長の名前が挙がっている。また、有色人種を採用するとのうわさもありファーガソン元FRB副議長も候補となっている。
 ドル円の上値を抑えるのは、米国で蔓延しているウイルス感染第2波だ。早朝にバイデン氏が追加刺激策の必要性や、米国で国民の移動が一番盛況になる感謝祭の人数制限などについて発言した。しかし、トランプ現大統領が何も行動を起こしていないことで、このまま感染の勢いが止まらず、支援策も進まない最悪な状況に陥るかもしれない。
 ドル円以外では、昨日の値動きは狭かったが、欧州通貨は引き続き大きく動くリスクがありそうだ。早朝に商品先物取引委員会(CFTC)が主要な先物のポジション状況を発表したが、11月10日時点でのユーロロングは若干減少したものの依然としてアマウントは大きい。ウイルスの感染は欧州で深刻で、米国よりもロックダウンも厳しいこともあり、経済的な痛手は計り知れない。また、ジョンソン英首相が再び自主隔離に入ったことも気がかりだ。欧州連合(EU)英国間の交渉は11月中旬が現実的な最終期限とされていたが、いまだに進展がない。19日にビデオによるEU会合が開かれるが、あと数日以内に進展があるか注目される。
 なお、本日のアジア時間のイベントとしては、11月初旬に行われた豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨の発表が注目。昨日ロウRBA総裁が講演でマイナス金利についても言及したことで、政策金利についての詳細が議事要旨にどのように記載されているか注意したい。